思わずツバを飲み込んだ…あなたが思う“映画の「うまそーシーン」”を教えてください
漫画家・清野とおるが全国各地の美味しかったり、美味しくなかったりする食べ物のを探し歩く「グルメ漫画の問題作」こと『ゴハンスキー』。週刊SPA!にて連載中の同作だが、最新コミックス4巻が1月12日に発売された。
同作に収録された爆笑必至のおまけコラムを特別に一部を抜粋してお届け! 今回は清野氏が知人や著名人から聞いた映画の中の「うまそーシーン」を紹介。
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映画を観ていると、あとでこっそり再現してみたくなる「食」のシーンに出会うことがあります。そんなシーンの話を知人から聞いているうちに、もっと欲しくなっちゃったんです、僕……。ということで、映画監督さんやゴハンスキー読者からいろんな「うまそーシーン」を集めました。
あ、ちなみに僕がソソラレる「食」のシーンは『刑務所の中』のアルフォートとコーラ。コーラはコカ・コーラ社のコーラではなく、なんかよくわからないブランドのコーラです。あの謎のコーラでアルフォートを派手に胃に流し込んでしまいたいものです!!
――まずは『ロボゲイシャ』などバイオレンスかつコミカルな作風で知られる井口昇監督。早速、映画に登場する「うまそーシーン」を教えてもらいました。
井口昇:『エイリアン』の中で、宇宙船の肉体労働者たちがみんなで食事をするシーンがあるのですが、モヤシのように見える謎の宇宙食を、バクバク食べるんですよ。決して美味しそうではないけど、「あれはいったいどんな味がするんだろう」って、妙に食べてみたくなりましたね。
『ブレードランナー』では、ハリソン・フォード演じるデッカードがうどん屋で、何か4つと、うどんを注文する有名なシーンがあります。すると、店員の親父が『2つで充分ですよ、わかってくださいよぉ』と、拒むんです。なぜそんなにムキになっているのか何を注文したのかもわからないけど、妙に気になるんです。このシーンが好きすぎて、僕がプロデュースするアイドルに『2つで充分デス!』という曲まで作ってしまいました(笑)。
――得体(えたい)の知れないものに惹かれてしまう気持ち、僕も大いにわかります。一体、どんな得体をしているのか、つい知りたくなっちゃうんですよね~。続いて、読者から寄せられた「うまそーシーン」を紹介します。
「『男はつらいよ』で、寅さんがスナックで男の恋愛相談に乗っているシーン。その後ろでカップルが食べてる茹で卵が美味しそう」(女性・30代)
――スナックと茹で卵の組み合わせ、たまりません。それにしても寅さんより茹で卵が気になるなんて、罪深きお人ですね~。
「『マッドマックス2』で主人公が缶詰の犬の餌をペチャペチャ食べる。あれ、超うまそうですよね」(男性・20代)
――まさかの犬の餌! 『マッドマックス2』のあの犬、演技が上手すぎると思いませんか? あれ、本当に「犬」なんですかね?
「『黄金狂時代』で遭難したチャップリンが空腹に耐えかね、革靴を茹でてナイフとフォークで食べて、靴紐をパスタのようにすする。あのシーンを観たあとで、自分の革靴を見て生唾を飲み込んでしまった……」(男性・40代)
――ちょうど履き古して処分しようと思ってた革靴があるんだけど、せっかくだし食べちゃおうっかな~。最後は話題作『全員死刑』で商業映画デビューを飾った新鋭、小林勇貴監督。まさかの一本を挙げてもらいました。
「『シャブ極道』で、主人公がスイカに覚せい剤をかけて食うシーンですね。役所広司演じるヤクザ・五味が夏の暑い日に裸の女の横で目を覚まして、スイカにシャブを、塩のようにかけて食うんですよ。五味はこうやって日常的にシャブを食い続けていて、最終的には『体内でシャブの成分を自動生成できるようになる』という夢を叶えます。日々の努力の大切さを教えてくれるシーンでもありますね(しみじみ)。絶対に再現できないものだから余計に惹かれる。塩に比べて、シャブって高価だし、手に入れにくいんで(笑)」
――スイカにシャブを、塩のように……ごくり。いやいや、ごくりじゃないですよ。覚せい剤、ダメ。ゼッタイですよ。
<取材・文/清野とおる 鴨居理子>
【井口 昇監督】
『片腕マシンガール』、『ロボゲイシャ』が国内外でカルト的人気を博す。アイドルグループ「ノーメイクス」のプロデュースなど、幅広く活躍中
【小林勇貴監督】
自主映画『孤高の遠吠』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭でグランプリ受賞。’17年11月、間宮祥平主演『全員死刑』で商業映画デビュー
※1月12日発売の『ゴハンスキー4巻』ではこれ以外にも、清野とおるがオススメする映画の「うまそーシーン」。果たしてどんな映画が紹介されているのか? 気になる方はぜひチェックしてみてほしい!
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『ゴハンスキー4』 『週刊SPA!』好評連載中、狂気に満ちた食ルポ記もついに第4弾! ![]() |
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