ライフ

“乗り換え遠い”渋谷駅「JR~東横」の快適ルートを検証

新渋谷駅

迷宮度は日本一!? 駅構内図前で立ち尽くす人多数

 3月16日、東京メトロ副都心線との相互直通運転開始により、東急東横線のホームは地上2階のホームから、地下5階へと移動した。あわせて、渋谷ヒカリエ改札など、渋谷駅の構内も大幅に生まれ変わった。直通運転により便利になる一方、乗り換えが遠いという声が多発している。 ⇒【画像】新渋谷駅の迷宮ぶり
https://nikkan-spa.jp/416156/nsby_01
 そこで、JR山手線ホームと東急東横線ホーム間の最短ルート&楽なルートを調査してみた。下記の時間はホームからホームまでの時間になっているので、実際の利用の参考にしてもらいたい。ちなみに、筆者は身長170cmの27歳男性。普段全く運動せず、階段を上るのが大嫌い、歩速は流れに身を任せるタイプだ。  ちなみに、ホーム移転前の乗り換え所要時間は以下の通り。 【JR中央改札~東横2階改札】1分53秒(改札間50秒) 【JR南改札~東横1階改札】約1分25秒(改札間21秒) ※東横1F改札は封鎖されていたため推測値  果たしてどれくらい変わったのだろう? ◆東横⇒JR 最短&最楽ルート 【JR南改札~渋谷ヒカリエ改札】4分40秒・階段約80段 (東横→JR方面は上りエスカレーターあり)
新渋谷駅,ヒカリエ改札

最短ルートの出口。幅も狭いためすぐに行列ができる。

 今回の調査で最も短時間で乗り換えができたルートは、東横ヒカリエ改札とJR南改札というルート。早いだけでなく、東横ホームから出発すると、全てエスカレーターで移動できる。ただし、逆にJRからの乗り換えは、地上からヒカリエ改札まで、約80段もの階段を下ることになった(エスカレーターは上りのみ)。その階段も、2人がギリギリ並んで歩ける程度の狭い幅のため、ラッシュ時には詰まって入口前に行列ができてしまっていた。あの圧迫感と長い下りは膝にも精神的にも参ってしまう……。 ◆そこそこ早く、足腰を鍛えられるルート 【JRハチ公改札~宮益坂中央改札】5分20秒・階段約140段 (東横→JR方面は上りエスカレーターあり)  JRから東横への乗り換えの場合は、ホームからJRハチ公改札へ約40段の階段を下り(エスカレーターなし)、改札を出て左方向宮益坂下にある9番出口へ。建物から出口部分までには10mほど屋根のない部分があり、雨の日などは大変そうだ。そこから約50段の階段を下り、7段降りて少し歩いて7段上がるという、微妙な遠回りをして最後は約30段を下りて宮益坂中央改札に到着する。こちらも、宮益坂中央改札から地上間は上りエスカレーターのみなので、計約140段の階段を下りることになる。ある程度道幅もあるので圧迫感はないが、やや時間がかかる。 ◆ 昔の東横の雰囲気を感じる & 楽 【JR中央改札~ヒカリエ改札】6分48秒・約30段  旧東横2階改札の前を通るこのルート。現在(4月2日時点)では、ホーム跡地でユニクロのUT(Tシャツ)の特設ショップがオープンしている。JR中央改札からヒカリエ方面までは、古い連絡通路と約30段の階段があるが、昔の渋谷駅の雰囲気をたっぷりと味わうことができる。また、ヒカリエ内のエスカレーターは、地上2階からヒカリエ改札まで長い時間下りることになるが、音楽や天気情報などの表示があり、気をまぎらわしてくれる。多少時間がかかるものの、階段は30段のみ、精神的にも楽なルートだった。 ◆ バリアフリーとは言い難い!? 「階段なし」は、かなり遠回りで時間がかかる  階段をまったく使わないルートについては、今回のリニューアルは非常に残念な結果になっている。階段を利用せずにエスカレーター・エレベーターのみで乗り換えた場合にかかる時間は下記のとおりだ。 【宮益坂中央改札⇒JR南改札】6分51秒  宮益坂中央改札から9番出口を通るルートは、微妙に段差がある。ケガをしたときやカートを持っているときなどは、やや不便に感じそうだ。そんなときは「渋谷ちかみち」と名付けられた渋谷109とヒカリエをつなぐ地下通路が便利だ。しかし、JRハチ公前改札に上がるエスカレーターがあるものの、地下1階から地上へは階段しかないため、東急フードショー店内のエスカレーターを利用することになる。地上に出た後は、ハチ公改札も近いがJRホームへは階段のみのため、南改札にまわることになる。 【JR南改札⇒渋谷ヒカリエ改札】8分15秒  渋谷ヒカリエ改札からJR南改札は最短ルートだが、逆にJRから東横へ階段なしで行く場合は、かなりの遠回りを覚悟しなくてはいけない。宮益坂口にあるエスカレーターを上り、旧東横2階改札前を通ってヒカリエへの連絡通路へ。ヒカリエのエスカレーターを利用して渋谷ヒカリエ改札に到着する。 【エレベーターのみ】10分以上  車椅子などではエレベーターを使わざるをえないが、このルートはかなり大変だ。宮益坂中央改札から、ゆるやかなスロープの道を経由して、渋谷ヒカリエ内のエレベーターを利用して地上1階から渋谷南改札へ。このルートであれば、双方向でエレベーターのみの乗り換えが可能だ。また、渋谷109などJR改札から遠い地点にはエレベーターがある。しかし、いずれのルートも10分以上かかってしまうため、乗り換えルートというのには少々厳しいものがある。また、渋谷109のエレベーターは、営業時間外は利用できないため、完璧なバリアフリーとは言いがたい。 ◆ これからの渋谷駅はどうなっていくのか?  未完成のようにみえる新渋谷駅だが、現在はまだ仮の姿で、今後も利便性向上の工事はおこなわれていくのだろうか?  東急電鉄広報部によると「バリアフリーの観点では、現在のルートで整備が済んでいると考えています。ただし、渋谷駅全体の再開発計画のなかで、地下の基盤整備が引き続き検討されています。具体的にはまだ決まっていませんが、これからもどんどん渋谷駅は変わっていきます」とのこと。  渋谷区が2012年10月に発表した『渋谷駅中心地区基盤整備方針』を確認すると、「バス・タクシー乗降場の再配置」や「ハチ公広場の拡充」などが整備イメージに書き込まれていた。利便性の向上や渋谷駅全体が整備され生まれ変わっていくことは、たしかにワクワクするものだ。しかし、目の前の状況としては、明らかに不便になった感じる人の方が多いだろう。特に、バリアフリー面では“十分”とは決して思えない。上記ルートを参考に、少しでも快適に乗り換えできるお気に入りルートをぜひ探してみてほしい。 <取材・文・撮影/林健太>
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
ハッシュタグ