いいモノを求め、あるいは“ハズレ”を引かないため、参考になるのがネットのレビュー。が、誰もが“発信”できるゆえ、読むに値する情報の選別は大変!?　そこで各界のプロもチェックする熱量高い素人レビューを紹介。レビュー事情は業界の鏡でもあった!? ◆アイドルとの関わり方が変わり、イベントルポが主流に 　素人の口コミがシーンを形成する重要な要素となりつつあるアイドル界。一方で「長文のレビューは大幅に減った」とはアイドルライターのエドボル氏。 「モーニング娘。が出始めた時代はイベントが少なかったこともあり、アイドル評は妄想の割合が高く、脳内デートを楽しむような人も多かった（笑）。それがAKB以降は“アイドルは現場で見てナンボ”という風潮になり、妄想するヒマがなくなったんです。ネットの文章も、妄想や批評よりはイベントリポート的なものが増え、ファンの活動場所もブログ、ツイッターへと移行した」 　そして、ツイッターに信頼を置かれる素人の書き手が登場する。 「くりっちさんはNMB48劇場のライブを驚異的な早さと正確さで実況することで有名。ガリバーさんは一日に5～6現場のライブを回ったり、全国のローカルアイドルを追いかけたり、移動距離と情熱がスゴい。やはり支持されるのは現場に足しげく通う人、その臨場感を正確に伝えられる人ですね」 ＜素人ネットレビュアー＞ 【くりっち(´∪｀)じょー@kuriQ】NMB劇場に200日以上通った年も！ 　大阪在住で、以前から柏木由紀推しで、月2回は東京のイベントに通っていたくりっち氏。地元で2011年にNMB48が立ち上がってからは、そちらも応援することに。 「その夏にNMB48はスキャンダルが重なり、応援していた人も『もう終わりや』とか言い始めて。自分はチケットが当たらず悔しい思いをしていたので、『オレたちが盛り上げんでどうすんねん！』と、より応援に力を入れ始めました。それから平日の仕事終わりに劇場にほぼ毎日通い、モニター観覧を続け、誰がどのポジションだとか、MCでこんなことを喋ったとか、ツイッターで実況を始めました」 　そのようなリポートをする人は他にいなかったこともあり、フォロワーも7000人超まで増加。 「リポートは自分も楽しいし、喜んでくれる人がいるならWin-Winやなと。ただNMB48のチケットが売れないと、『自分の情報の広め方が悪かったんかなぁ』ってヘコみます。『運営目線か！』ってツッコまれますけど（笑）」 ＜素人ネットレビュアー＞ 【ガリバー@gulliverdj】全国津々浦々、昨年の参加現場数はなんと365回！ 　モーニング娘。からアイドルにハマったガリバー氏。ももクロをきっかけにハロプロ以外のアイドルも熱心に追いかけ始め、サラリーマンながら、ここ数年のライブ観覧数は年間平均300回以上！ 「東京、大阪、福岡なら土日の朝から回れば、一日6現場は見れるんです。そして移動中にリポートをツイッターに投稿する。書くと楽しさが深まるし、共感や補足をしてくれる人もいる。自分もフォロワーさんから、ももクロの魅力を教わったので、恩返しに情報発信をしたい思いもあるんです」 　そしてローカルアイドルを見に行く際は、旅程や現地の食べ物などもリポートすることを心がける。 「ローカルアイドルは、会場に着くまでの全行程が現場。彼女たちが住む街、見ている景色も含めて、体験して伝えたい。ライブの数はもう増やせませんが、北海道や台湾など行ってない土地でもアイドルを見たい。実はジャニーズも回りたいんですが時間がなくて（笑）」 【エドボル氏】 アイドルライター、放送作家。アイドル企画や特集、番組やイベントなどに関わるほか、アイドルソングDJとしても活躍。選曲協力したCD『Japan Idol File』が発売中 ― プロが論評［素人ネットレビュー］は凄いのか？【1】 ―