W杯現地観戦組“感染者”が語るデング熱の恐怖「感染するかどうかは運次第…」
連日の熱を帯びるブラジルワールドカップ。「現地で観戦してきた」というサポーターが身近にいるという人は少なくないことだろう。実際、記者自身、こんなに多くのサポーターが地球の裏側までわざわざやってくるとは、と驚いている。
日本のTV観戦組にとっては、彼らが持ち帰るワールドカップ談義が興味深いだろうが、ちょっと待ってほしい。彼らが持ってきているかもしれない感染症・デング熱にかかる可能性があるのだ。
◆デング熱は蚊を媒介として人から人へ感染する
厚生労働省によるとデング熱の潜伏期間は2~15日、「ウイルスに感染した患者の血を吸った蚊(日本に広く分布するヒトスジシマカを含む)が、他者を吸血することでウイルス感染する」としている。
つまり、ブラジルのレシフェやナタールなどでデング熱のウイルスを持ったまま気づかずに帰国している日本人サポーターがいる可能性が高いのだ。
◆感染者が語るデング熱の症状とは?
実際に今大会中にブラジル国内でデング熱に感染した今西さんは話す。
「マナウスで感染したようで、2週間後に発症しました。旅行保険会社に連絡をしたら、日本戦のあるレシフェに提携病院があるということで行きました。症状は基本的に風邪のようなものです。40℃近い高熱とダルさ、そして節々の痛みがきつかったです。喉や鼻水は正常でしたね。とにかく、それまで何でもなかったのが急におかしくなりました」
今西さんが話すように、本当に感染していても兆候がないまま急に発症するようだ。
「抗生物質と熱さまし、それから胃薬を処方されました。食欲不振と湿疹、発症から一週間が経ちましたが、今も少しダルさがあって、ちょっとだけ視野が霞んでいます」
◆レシフェの病院で医者から言われたこと
「デング熱は交通事故にあうようなものだと言われました。つまり、防ぎようがない。運が悪かったと思うしかないようです。実際、僕も虫除けスプレーなどの対策は講じていたのですが……」
一節には、デング熱は2度感染すると死にいたるとも言われているが。
「僕がブラジルで診てもらった日本人医師は、2度感染したら死にいたるなんてことはないと言っていました。特にブラジルのデング熱は弱いので問題ないそうです。比較的症状が重くなるのは、アジアやアフリカのもののようですよ。医師から言われた注意点ですか? とにかく蚊に刺されないよう努力するしかないようですね。努力しても感染する僕みたいな人間もいるわけですが」
感染するかどうかは運次第……。今年の夏は例年より一層蚊に気をつける必要があるのかもしれない。 <取材・文・撮影/遠藤由次郎>
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