イスラム国からエボラ患者が送り込まれる!? ウイルスを使った「バイオテロ」の恐怖
12/15発売の週刊SPA!では、特集「[このままでは人類滅亡]5大危機」を掲載。パンデミックのほか、原発テロ、地球温暖化、水不足、食糧危機など、人為的に引き起こされている5つの“危機”の現状をリポートしている。
<取材・文/横田 一 写真/時事通信社>
最近、国内外での感染症流行に関するニュースを目にすることが増えてきている。世界各国がその拡大防止や予防・対策に追われているが、いまいちばん懸念されていることは何なのだろうか? パンデミック(感染症の世界的な流行)に関する国内外の情報を収集・分析してネット上で発信を続けている岡本嘉六・鹿児島大学名誉教授はこう話す。
「エボラウイルス病(エボラ出血熱)や中東呼吸器症候群(MERS)、インフルエンザ、デング熱などについてウオッチし続けています。これらは世界的な流行を引き起こす潜在的危険があるからですが、いま最も警戒すべきなのはウイルスを使った『バイオテロ』です」
エボラ熱は西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネで昨年から1年以上流行したが、3国とも長期の内戦で疲弊、国の統治機構が整っておらず、感染者がノーチェックで自由に国境を越えて移動。その結果3国以外にも飛び火したが、国連が現地政府と連携したことで短期間に制圧できた。エボラ熱の流行は国の統治能力低下が招いたことを物語る。岡本教授はこう続けた。
「長い内戦を経ているサハラ砂漠以南の国々は、極度の貧困が社会的軋轢を生み出しており、テロ組織が入り込む余地があります。 自らを犠牲にした自爆テロなども辞さないイスラム国(IS)の振る舞いからすると、エボラ患者を欧米社会に送り込むことも可能でしょう。『欧米出身のISの要員が感染者を連れてボートで密入国をする』というわけです。だからこそ、エボラ流行3国の統治能力を高める国際的な支援が必要なのです」
鳥インフルエンザのリスクも依然として残っているという。
「いま警戒しているのは4年前に中国で『H7N9』という新型が出たことです。鶏の中では病原性を示さないが、人に感染した場合は死亡率が非常に高くなる。しかも約400人の感染者のうち約100人が亡くなりました。今は野鳥には感染していませんが、突然変異で渡り鳥が日本にも運ぶようになったら大変です」
韓国でも2年前に「H5N8」という新型ウイルスができて大流行、鶏肉が値上がりするほどの被害が出た。
「このウイルスは人には感染しないが、突然変異をして人に感染するようになったら大きな被害が出る恐れがある。鳥インフルエンザウイルスが突然変異をして4000万人が死亡した『スペイン風邪』のように、これらのウイルスが世界的大流行を引き起こすリスクは依然として消え去っていないのです」
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