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「LINEモバイル」は通信量難民の救世主になれるのか?

 メッセンジャーアプリとして国内で圧倒的に支持されるLINEがMVNOに参入する。どれだけ期待できるのか? 専門家に聞いた。

「LINEモバイル」は通信量難民の救世主になれるのか?

「月額500円」でどれだけできるかが成否の分かれ目


 今年3月、LINEは新たにMVNO事業に参入し、「LINEモバイル」として今夏のサービス開始を発表した。なかでも世間を驚かせたのは「月額500円から」の利用料金を打ち出したことだ。

MVNOの仕組み

MVNOの仕組み

 MVNOは自社で通信回線を持たず、NTTドコモやauといった携帯電話事業者から回線の帯域を借り、独自サービスを格安で提供する。「LINEモバイル」はNTTドコモの回線を利用し、月額500円の料金やLINE、Facebook(以下:FB)、Twitterの通信が無制限であることを売りにする。

法林岳之氏

法林岳之氏

「『LINEモバイル』がユーザーから歓迎される一方で、熊本地震の際にLINE通話を10分無料と告知したことは、回線への負荷が集中すると批判の対象に。今や通信インフラの一端を担う同社だけに、常識外の“社会貢献”に対し、LINEは通信については素人と言わざるをえません」と話すのは、モバイル評論家の法林岳之氏。

 そんな通信事業に参入する「LINEモバイル」の魅力は、ワンコインから利用できること。それは実現可能なのか?

「MVNOは価格競争が激しく、月額1000円以下は当たり前。このタイミングの参入ならば、月額500円にそれほど驚きはありません。ドコモがLINEにだけ特別価格で回線を提供することはできないので、一定の帯域に多くのユーザーを囲い込むなどして一人あたりの単価を下げるしかない。ドコモで契約すると5000円以上かかるのに、LINEモバイルだと500円で済むと何も考えず飛びつくと、あとで痛い目に遭う可能性は高いです」

 そもそもスマホ利用で気になるのが毎月のデータ通信量だ。通信速度が低下し、快適に使えなくなる格安スマホもあるなかで、「LINEモバイル」はお得なのか?

「多少のメリットはありますが、通話やメールの代替として、ビジネスでLINEが中心となることはないでしょう。まず基本的にログが残らない。電話番号ベースだけど、機種変更のたびに内容を引き継ぐのは面倒くさい。だったら、どこからログインしても使えるFBメッセンジャーや他のSNSで十分ですよね。LINEは個人のプライベートなやり取りに対してのものであって、ビジネスユースで軸になる可能性は低いです」

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「LINE Pay」との相互利用に期待

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