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大体の問題は誰かが解決するじゃない――連続投資小説「おかねのかみさま」

みなさまこんにゃちは大川です。

『おかねのかみさま』48回めです。

きょうも六本木SLOW PLAYで書いてます。

※⇒前回「スイカ割り」


〈登場人物紹介〉
健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる
神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い
死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気
美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる
ママ(マ) 蒲田のスナック「座礁」のママ。直球な物言いが信条
学長(学) 名前の由来は「学長になってもおかしくない歳のオッサン」の略
杉ちゃん(杉) ITベンチャー社長。ヒットアプリ「アリファン」を運営

〈第48回 ダイジョウブ〉
「んー、ママにも昔、男の子だった頃があるじゃろ」

「あったわね。気持ちは女の子だったけど」

「そう。そういう人のほうがわかりやすいとおもうが、この国の男の子は小さな頃から周りの大人にスイカ割りをさせられてるんじゃ」

「スイカ割り?」

「うん。目隠しさせられて、棒キレもたされて、グルグルまわされて、三半規管にある程度のダメージがある状態でスタートさせられて、まわりは『がんばれー!』とか『もっとみぎ!』『もっとまえ!』とか言いつつ、応援とかするじゃろ」

「うん。スイカ割りだからね」

「あれをな、子供の頃から長期間やられたら子どもはどうなる?」

「あ」

「大した理由もなく勉強させられて、ガンバレガンバレ言われて、横一列に並んだ友達と一緒に、むちゃくちゃに声援が交じる中、スイカ割る。何人かは割ることができて、何箇所かで胴上げされたりして、勝者と敗者が決まるんじゃ」

「割れなかった人はどうなるの?」

「ウチの学校に山ほど来てた」

「あー…」

「でもな、起業するってのはスイカ割りの能力とはあまり関係ないんじゃ」

「そうなの?」

「うん。もしそこで大々的なスイカ割り大会があるのなら、入場料とったり、撮影を請け負ったり、トウモロコシ焼いたり、会場の設営したり掃除したり、二次的な産業がいくらでもある」

「なるほど」

「規模の大小に限らず、勉強苦手だったひとでもそうやって敗者復活することができる。それもひとつの起業のあり方じゃ」

「でも、それができちゃう人って、もともと才能があるんじゃない?」

「その程度のことには才能は要らん。需要のとおりにやるだけじゃ。バカはバカなりに、自分が学んできたことよりも需要のほうを優先できれば、うまくいく」

「なるほど」

トトトトトトトトトトトト!!

「学長!えだまめの産地!わからないとのことでした!」

「そうか。じゃあ、次までに調べておいて」

「はひぃ!」

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23:34 久里浜 美琴宅

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