更新日:2022年10月29日 01:50
エンタメ

オタク臭漂うアニメ絵・萌え絵ジャケに悶絶必至! 新時代のヘヴィメタル「同人メタル」の世界

洋楽メタラーに立ちはだかる萌え絵CDジャケのハードル

 オタク・シーンは成長を続けている。また海外からの支持も得ている。オタク・シーンのなかで呼吸する同人メタル・シーンは、洋楽メタラーが振りかざす“洋高邦低”という文化的蔑視と戦ってきたジャパメタ・バンドが、上りのエスカレーターに乗る絶好の市場と言えよう。  オタクの皆さまには、ぜひ、同人メタルを聴いていただきたい。マンガの世界では同人誌はメジャー流通の本と比べてページが少ない上に割高だが、同人音楽の場合は、メジャー流通のCDに比べて価格が安いので、買いやすくお得だ。オタク・ユーザーにとって同人メタルに入門するのは、マンガやアニメと市場が同じだから、敷居は高くないだろう。  洋楽メタラーのおっさんにもできれば同人メタルを聴いてほしいが、正直なところ、オススメするのは気がひける。なぜなら、行ったこともないアニメショップやオタク向け同人誌専門店に足を運んで、アニメ絵・萌え絵によるCDジャケットの商品を買わなければならないのだから。おっさんには、かなりハードルが高そうだ。  彼らにとっては、ドイツのメタル・バンドSCORPIONSの、現在は日本でも発禁処分となっているロリジャケ・アルバム『VIRGIN KILLER』(邦題『狂熱の蠍団』)を買ったときよりも、勇気がいるかもしれない。
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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