六代目山口組が掲げる構造改革の全貌「“仁政”をもって抗争は終結」
分裂から2年半。山口組を巡る抗争に大きな動きがみられた。六代目山口組を割って出た神戸山口組の中核組織・四代目山健組の中でNo.3の要職を務めた実力者が絶縁処分となり、“六代目復帰”を果たしたのだ。
「移籍したのは兼一会という大阪・ミナミに拠点を置く組織で、他団体からも怖れられる山健組を代表する武闘派でした。それが一転、神戸から六代目山口組の二次団体である極心連合会に復帰したとあって、大阪の勢力地図が大きく塗り替えられそうです。同じミナミに縄張りを持つ宅見組などは、相当ピリピリしてると聞きます」(夕刊紙記者)
この移籍劇は、当事者からすると別の深い意味を持つようだ。六代目山口組の二次団体で幹部を務めるX氏は次のように解説する。
「今回、兼一会の復帰に当たっては極心連合会の橋本弘文・統括委員長の手腕と男気によってなされた部分が大きく、大阪の地盤強化が大きく前進しました。この“地盤強化”こそ、今後の山口組が再統合へ向けて推進すべきテーマ。終結に向けて、これまでバラバラの組織に散っていた組員をなるべく都道府県ごとに一つに固まらせることによって地域の結束を高め、さらには経費節減を進めていこう――という狙いです。具体的には、親戚団体に考慮しながらも直参の空白地帯に限り、新たに山口組の直系団体を配置する。同時に跡目継承による代替わりや、養子縁組といった正当な理由に限り、各ブロック間での移籍を調整できるような体制も目指しています。無理して飲んだ盃が原因で禍根を残すくらいなら、本当に惚れた人についていけるよう組織として配慮していく、ということ」
六代目から神戸、神戸から任侠と、一連の分裂劇によってそれまでヤクザを支えてきた疑似家族制度の象徴である盃の重みは、毀損されてしまった。それを今一度、現代に馴染むよう復活させる意思が六代目山口組にはあるとX氏は言うのである。
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