世田谷区民になれる近くて安い穴場駅を発見。小田急線ダイヤ改正で大注目
リクルート住まいカンパニーが今年2月28日に発表した「みんなが選んだ住みたい街ランキング2018 関東版」は、今年も大きな話題となった。1位に輝いた横浜や大宮・浦和など23区外からのランクインが目立ったのに対し、イマイチな結果だったのが新宿を起点に小田原線、江ノ島線、多摩線の3つの路線を有する小田急線だ。「住みたい沿線」ランキングでは辛うじて9位にランクインしたものの、「住みたい街」ランキングでは26位の海老名が最高位となっている。
しかし、上下線を各2本ずつ計4本の線路にする「小田急小田原線複々線化事業」が東北沢~和泉多摩川間で実施され、最後の工事区間である世田谷代田~東北沢間1.6キロが2017年度末に完成。先月からダイヤ改正が行われたことで、首都圏の私鉄のなかでも「混んでいる」という小田急線のイメージは、大きく変わろうとしているようだ。
「通勤はかなり変わりました。今まで各停のみだったので、準急が停まるようになりめちゃめちゃ恩恵受けています。朝の混雑は体感で4分の一くらいになりましたね。多摩センターに住んでいる上司は多摩急行がなくなったので怒っていましたけど」と語るのは、千歳船橋在住の会社員。
同じ小田急沿線の街でも恩恵を受けている駅とそうでもない駅とに分かれるようだが、今回は小田急線の様々な駅の中でもマイナーな駅でありながら、複々線化によるダイヤ改正の恩恵を特に受けている街のひとつとして、世田谷代田の魅力を取り上げたい。
3月から始まった新ダイヤでは経堂の平日の上下停車本数+172本を筆頭に、下北沢・千歳船橋・祖師ヶ谷大蔵で+100本以上、狛江では+61本の大増発となっており、世田谷代田もそれらの駅に次ぐ47本増となっている。
地下鉄千代田線からの小田急線直通列車の多様化により、これまで各駅停車を利用する他なかった東北沢や世田谷代田~祖師ヶ谷大蔵の各駅は、代々木上原まで急行を利用することができる便ができる。所要時間短縮などの取り組みで、世田谷代田-下北沢間の混雑率は東京圏鉄道主要31区間中ワースト3位の192%から150%程度に緩和が図られたようだ。
地下化工事前は相対式ホーム2面2線の老朽化した地上駅だった世田谷代田駅だが、2017年3月24日に完成した新しい駅舎は、ホームもトイレもとにかく広々としてキレイ。
2016年の小田急の1日平均駅別乗降人員のデータでは、世田谷代田駅は1日平均約8千人ほどとなっており、利用者の少ない小さな駅(隣駅の下北沢は11万4千人、梅ヶ丘は3万2千人)で、世田谷代田の駅前には大規模な商業施設や公共施設はない。
代田地区は下北沢(代沢)周辺から続く低層住宅地で、周辺はあくまで閑静な住宅街といった雰囲気だ。一帯は古くからのアパートなど世田谷区内でも単身者にも人気のあるエリアだそうだが、近年はそんな住宅地としての人気の高まりから、住宅の販売価格や家賃が上昇しているといった話も聞かれる。
ダイヤ改正で注目される「世田谷代田」駅
都心へのアクセスが向上、駅舎も新しくてキレイ
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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