所有を前提にしたビジネスは滅びかけている――チームラボ・猪子寿之、デジタルで境界を超えたその先へ
集団の創造で生み出されたアート作品群で、チームラボは今や世界を魅了する存在だ。代表の猪子寿之はどんな未来を想像するのか?
2月22日、『ウォール・ストリート・ジャーナル』はシリコンバレーのベンチャーキャピタルが日本人を中心とした若者56人を無給で違法に働かせていた問題を報じた。
そう、今やシリコンバレーといえば、「タダでもいいから働きたい」という若者さえいる存在だ。
そんなシリコンバレーのギャラリー「PACE」で、2月から「発信者」としてデジタルアートの大規模個展を行い、並み居るIT企業のトップから好評を博している集団がいる。それが、猪子寿之氏らが設立した「チームラボ」だ。人々を驚かせるウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」代表の猪子寿之氏を直撃した。
インターネットの誕生から20年、デジタルによる最大の変化は「人間の生み出したすべての情報が、モノから解放されること」だと猪子氏は語る。
「情報というのは、今までは物質に付随しないとこの世に存在できなかった。それが、デジタルのおかげで、情報そのもので存在できるようになった。アートはもちろん、人間の考えや表現のすべてが物質から解放された。言葉だって、もう紙に媒介させる必要はないよね。モノに媒介させると他人と共有できないし、変更するのも大変で、本当に不自由だよ。
つまり、物質が『境界』という概念を生んだともいえる。実際、ありとあらゆる境界はなくなっているし、業界・業種みたいな境界も無意味になっている。モノをつくる過程でも、エンジニア、デザイナーといった境界がはっきりしていたけれど、その境界もなくなっていく。事実上の国境がなくなっているからこそ、世界各国ではむしろ逆に、意図的に国境を強くする政治的作用が働いているんじゃないだろうか」
「所有」を前提にしたビジネスはもう滅びかけている
「情報」は物質から解放され、より拡散していく
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