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シノギに困ったヤクザがスイカ泥棒までする時代に

 暴排条例の施行により、一気にその規模、勢いが削がれたヤクザ業界。’16年には統計を取り始めて以来、初となる構成員数2万人割れを記録。ヤクザを取り巻く状況は日に日に厳しくなっている。

「兄貴から野菜泥棒をやるぞって言われたときは、驚いたよ」

 呆れ顔で話してくれたのは東海地方の小さな暴力団に所属する植村晃さん(仮名・37歳)だ。植村さんが兄貴から野菜泥棒を持ちかけられたのは3年前だ。

「それまでは地元の祭りで屋台を出したり、建築現場を仕切ったりして、それなりにシノギがあったけど地元の祭りも建築現場からもヤクザはダメって締め出されて、オレも兄貴もにっちもさっちもいかなくなった。それで兄貴が思いついたのがスイカ泥棒だったんだ」

 ここから植村さんの苦難が始まることとなる。

「昼間は若い連中と手分けしてスイカ畑を回って目星を付け、防犯センサーなんかを探る。夜中に警備状況を探ってから数日後に決行。でも、100個盗んでもせいぜい30万円くらい。重いし傷つけると売れないし、蚊に刺されるわで、ものすごく効率が悪い。それなのに、兄貴は『新しいシノギはこれだ!』みたいに得意げでさ、今度はメロンやトマトなんかもやれって言い出してね……」

 そして昨年事件が起こる。

「農家の人たちが自警団をつくって、夜中に張り込みをされたの。車の車輪をブロックされて、逃げ道も塞がれて、オレだけとっ捕まって5人がかりでボコボコにぶん殴られた。オレ、全身に刺青入ってるから『お前ヤクザか!』って。でも、こっちは絶対に兄貴の名前も組の名前も言えないじゃん。バレたら恥ずかしくて顔向けできない。最終的に向こうも散々オレをぶん殴っちゃって立場が悪いもんだから、もう二度とやるなって、スイカを2個持たされて帰されたよ」

 シノギだろうがなんだろうが、丹精込めて作った農作物を盗まれたら、農家の人々はたまったものではない。なのにスイカを2個も持って行かせるとは、なんとも心が広い話だ。だが、ここ数年は農作物や海産物の盗難や密漁は立派なシノギとなっており、社会問題となっている。

取材・文/『週刊SPA!』編集部
※『週刊SPA!』6/19発売号「ヤクザがスイカ泥棒」より

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