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暴力団関係者が話す、ホームレスを奪い合う“補助金の不正受給”の実態

 新型コロナウイルスの猛威は“実体経済”を蝕み、今後は資金繰りに窮する企業や個人事業主のみならず、会社員にも多大な影響を及ぼしそうな情勢だ。価値観や生き方すら変えかねないアフターコロナの荒波をどうかいくぐればよいのか――。

補助金の不正受給に麻薬、詐欺が蔓延。危ない話と距離を置くべし

コロナ後の勝ち組になる!

裏社会の人間に声をかけられたホームレスが売人を兼ねたり、不正受給の名義人になったりする“貧困ビジネス”が横行。そのスキームは全国に広がっている

 世の中の流行や抜け道に敏感な裏社会では、コロナ禍によって新しいビジネスの創出や業態の進化がさっそく目に見えているという。暴走族から右翼団体を経て暴力団の世界に浸かり、関西で活動する暴力団関係者の山崎崇(仮名・43歳)が話す。 「新型コロナの対策でばら撒かれる補助金目当てのビジネスはすでに手をつけている連中が多く、ホームレスや生活困窮者の奪い合いが始まっています。彼らを1人抱え込めば、各種の補助金を申請する名義人に仕立て上げられるし、生活保護の申請から口座を契約させたりと“何毛作”でもできるから。  関西にはこうした貧困ビジネスに強い組織がいくつかあって、士業の先生らとの連携も取れている。ホームレスには住む場所と月にせいぜい数万円渡すだけだから、投げた額の5~10倍にはなってる。俺らにとっちゃ久しぶりの特需ですよ」  これまでもあった貧困ビジネスに拍車がかかった格好だが、他ではより荒っぽい手口が目立つようになってきたとも。 「コロナでみんな家にいるし、仮に飲み歩いていたら目立つでしょ。なので債権回収がむちゃくちゃはかどっています。今、投資詐欺がすごく流行っていて、半グレですらないような連中が平気で人を騙して出資させて起きるトラブルが頻発してるんですが、そういう民事にどんどん介入していってます。  留置場がクラスター化することを恐れてか、警察は平常時と比べたら全然捜査してないですから、暴力の威力が効きやすい。一時期流行った“アポ電”みたいに、資産を調べたうえで自宅を急襲する手口も今後は増えそう」  緊急事態宣言下の巣ごもり需要では、薬物の売り上げも急増。ドラッグディーラーにとっても新型コロナは“追い風”だとか。 「パタンと仕事がなくなったホストから公務員のおじさんまで、4月頃からシャブの注文はかなり増えている。『10万円の一律給付金が出たらすぐに欲しいから、取り置きしておいてくれ』なんてヤツもけっこういるからね。自分らは商売になるからいいけど、この国は大丈夫かなって考えると心配になるよね」  不正受給に投資詐欺、さらにはドラッグの蔓延……今回のコロナ禍によって日本がこれまで抱えていた闇は、さらに濃くなっている。  アフターコロナでは、危ない話を耳にする機会が増え、“負の連鎖”がやむことは、当分なさそうだが、君子危うきに近寄らず。一定の距離は置くべきだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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