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「日本人の健康寿命」は何歳まで延びるのか? 85歳以上の半数は認知症とも

 平均寿命は4年連続過去最高を更新し「人生100年時代」といわれる一方で、年金制度はいつ破綻するかわからない昨今。もはや定年後も働くのは当然、死ぬまで働き続けるしかない時代の生き抜き方。
認知症

※写真はイメージです

人間の寿命は結局何歳まで延ばすことが可能なのか

 年々延び続ける日本人の寿命。死ぬまで働くといっても、寿命が延びるほど老後資金への不安が募る。寿命はどこまで延びるのか? 生物学者の池田清彦氏はこう話す。 「高等動物の体は分裂性の細胞と非分裂性の細胞でできていますが、分裂性の細胞は生殖細胞を除いては分裂回数に限界があり、人間の場合は50回分裂を繰り返すと死んでしまう。また、非分裂性の細胞であるニューロンや心筋細胞の最大寿命は120年といわれています。 医学が進歩しても、寿命が120歳を大きく超えることはありえません。平均寿命も、食生活のおかげで長寿といわれる日本人でも、男性で87歳くらい、女性で90歳くらいが限界です」  健康寿命についても75歳から大きく延びることはないという。 「現在、75歳から80歳の認知症の割合が約10%。85歳以上は約半数が認知症といわれています。認知症についても、医学の進歩によって劇的な改善は見込めないため、健康寿命にも限界があるのです」  せめて健康寿命の限界までは、働きたい人は働ける社会になってほしいものだ。 【池田清彦氏】 生物学者。早稲田大学名誉教授。著書に『寿命はどこまで延ばせるか?』(PHP・サイエンスワールド新書)など。昆虫マニアでもある ― [死ぬまで働く]入門 ―
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