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年金は何歳からもらうのがいい? 老後が不安な人ほどバカにできない年金制度

 平均寿命は4年連続過去最高を更新し「人生100年時代」といわれる一方で、年金制度はいつ破綻するかわからない昨今。もはや定年後も働くのは当然、死ぬまで働き続けるしかない時代の生き抜き方とは? DMA-_DSC8405

70歳まで働き続ければ国民年金受給額は42%増

「年金制度なんて破綻するんだから、払う意味がない」と、うそぶく人も少なくないが、老後資金が少ない人ほど、生活の柱となる年金をバカにしてはいけない。 「今後は、少子高齢化による受給額の目減りは避けられません。でも、年金制度そのものが破綻しているわけではありません。50歳以上の人に届くねんきん定期便は、実際にもらえる年金の予想額が記載されていますし、50歳以下の人でも、生涯平均年収の目安がつけば、厚生年金のおおよその受給額は計算できますので、老後の生活設計の目安になります」(ファイナンシャル・プランナーの畠中雅子氏)  ちなみに、現在厚生年金と国民年金をもらっている人の平均受給月額は15万4530円。配偶者が国民年金だけの受給だとしても、国民年金の平均受給月額5万4497円を足すと約21万円。足りない分は貯金で補塡するとしても十分生活の柱になる金額だ。  また、65歳以降も働き続けて、年金の受給年齢を70歳まで遅らせれば、国民年金の受給額は42%の増額(国民年金の平均受給月額5万4497円で計算した場合は7万7385円に増額)になる。 DMA-_DSC8305「働き続けるのは大変とはいえ、65歳以降も年金なしで生活できるくらいの職場環境があるけど、老後資金が少ないという人は、ひとまず70歳まで働き続ければ、その後の生活の見通しがだいぶ明るくなると思いますよ」(同)  貯金が少ないと、資産運用によって老後資金を増やそうと考える人も多いが「確定拠出年金などで老後資金を貯めることは否定しませんが、余裕のないなかでの資産運用はリスクが大きいので、限られた資産を減らさないことのほうが大事です」と畠中氏は指摘する。資産の少ない人こそ年金受給額を柱にした生活設計が重要なのだ。 《年金受給額の計算方法(月額)》 ●国民年金の場合 1万9500円×支払った年数/12 ●厚生年金の場合 平均月収(賞与除く)×7.125/1000×平成15年3月までに支払った月数 +平均月収(賞与除く)×5.481/1000×平成15年4月から支払った月数 【畠中雅子氏】 ファイナンシャル・プランナー。執筆、講演、個人相談、金融機関アドバイザーとして活躍。著書に『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる!』(すばる舎)など 撮影/福本邦洋 モデル/河原康二 ― [死ぬまで働く]入門 ―
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