腕時計投資家が教える「高級腕時計投資の極意」 中古価格が値上がりする腕時計を予測するには?
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
腕時計投資家の斉藤由貴生です。2017年は多くの腕時計が値上がり傾向でしたが、まもなく終わる2018年においても、その流れは続いています。
腕時計に詳しくない方からすると、「ただでさえ高い腕時計が、値上がりする訳がない」と思われるかもしれません。しかし、これまで多くの腕時計が値上がりしており、そういった現象は20年前から認識されている事実なのです。
20年前の時計雑誌を国立国会図書館などで閲覧すればわかるのですが、当時においても「定価より高く販売されている」という現象がすでに起きていました。また、その時代の販売価格を見ると、今の基準と比較して安いため、驚くことになるかもしれません。
例えば、2002年のある雑誌で、中古62万円と紹介されていたパテックフィリップは、現在、250万円以上でないと手に入りません。どちらも売値ですから、「250万円で売られていたとしても、62万円ぐらいでしか買い取ってもらえないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、「それはない」と断言します。なぜなら、もしもそんなことがあったならば、「私がもう少し高く買う!」と思うぐらい安いからです。おそらく、現在250万円という相場の腕時計を62万円で買い叩くような悪徳業者はいないと思いますが、売る値段は持ち主次第なので、そういった腕時計をお持ちで手放す際は、売り先は複数まわるのがいいでしょう。
腕時計が「高くなった」ということは、もともとは、その価格よりも「安かった」ということ。ですから、「これから高くなりそうな腕時計」を見極めることができれば、かなりお得に腕時計を楽しむことができるといえます。
ということで今回は、過去に私が「高くなりそうな腕時計」を見極めた事例をご紹介したいと思います。
値上がりする前の腕時計を見極めるために大事なこと
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある
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『もう新品は買うな!』 もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう |
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