更新日:2018年12月23日 16:21
お金

なぜプリウスを買う人が多いのか? そんなに得じゃないのに…/腕時計投資家・斉藤由貴生

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。私は元ロールスロイスオーナーであると同時に、元プリウスオーナーでもありますが、現在38万円で買ったセルシオに乗っています。  中古ロールスロイスの実燃費はリッター3km程度、中古セルシオの実燃費はリッター6km程度、中古プリウス(初代)の実燃費はリッター13km程度だったのですが、こうした燃費と快適さは比例するわけではありません。

実質10万円で買ったロールスロイスシルバースパー

 結論から申しますと、セルシオが最も快適で安く乗ることができているといえます。それでも、この3台ならプリウスを買うという方が多いでしょう。新車販売台数ランキングを見ても、街中を見ても、近所を見ても、多くの人がプリウスを買っています。  ドケチ快適を追及する私は、そのような現状を謎に思うのです。一般ユーザーにとって、本当にプリウスが良い選択なのか謎に思うのです。

ドケチ快適視点で見たプリウスのデメリット

 プリウスというクルマは、燃費を重視している一方、クルマとしての性能を犠牲にしている部分もあると感じています。その筆頭といえるのが、空力を重視したボディで、後席の頭上部分が狭いだけでなく、運転していても見切りが非常に悪いというデメリットです。  ネット上では「今日のプリウス」などといって、危ない運転をするプリウスの動画などがアップロードされています。その原因が視界の悪さからなのか、単に運転が下手なのかはわかりませんが、私の経験からしても、プリウスは運転したときの視界が悪いクルマだったという印象です。

50万円で購入した5万km修復歴ありの初代プリウス

 また、内装はとてもシンプルでプラスチックが目立ちます。それでも初代プリウスからは、上級車種並の質感を感じましたが、2代目以降は簡素化されたという印象です。よって、営業用途など「道具」として乗るには良いパートナーとなるかもしれませんが、家庭用で使うには、華がないともいえます。  プリウスというクルマは、燃費が良いというメリットがある反面、それを実現させるために犠牲にしている部分も多々あると感じるのです。

プリウスと中古セルシオでお得なのはどっち?

 このプリウスの燃費が良いという部分を最大限活かそうと思った場合、年間ある程度の距離を乗る必要があると思います。  プリウスは、満タンの給油量が約38リッター程度。現在、レギュラーはリッター140円程度ですから、5000円程度の支払額で収まります。満タンで500km程度は走れてしまうため、ガソリンスタンドに行く機会も少ないことでしょう。

手前は初代プリウス、奥の2台は街中でよく見かける3代目プリウス

 その一方で、私が乗っているセルシオは、満タンで70リッターも入ります。ハイオクがリッター150円程度だとしても、一回の給油で1万円を超えてしまいます。また、燃費はプリウスの半分以下であるため、同じ距離を走ろうと思うと、ガソリンスタンドに倍行く必要があります。  そんな給油や燃料代に関する出費やストレスを考慮すると、当然ながらプリウスに軍配が上がります。しかし、それを年単位で計算してみると、意外にもその差額は思ったほど多くないのです。  実燃費は、クルマを使用する環境によって変わりますが、両方乗った私の経験だと、セルシオがリッター6kmならば、2代目以降のプリウスならリッター15kmは走ります。
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年間走行距離が1万kmだとすると、燃料費の差は?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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