更新日:2019年01月08日 18:35
お金

年末年始こそ見直したい「買っては捨てるという悪循環」

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですがご披露したいと思います。

斉藤由貴生

第8回 売る価値のあるモノを買わなければ意味がない

 前回まで話したことは、おそらくほとんどの人が頭では理解していることだと思います。では、買っては捨てるという悪循環から抜け出すためにはどうすればよいか。私なりの答えをお教えいたしましょう。 「捨てる」から「売る」にシフトすれば良いのです。  捨てるくらいなら売ってお金にすればいい。私も借金を工面するために家のモノを売却しました。お金に困ったらまずとっさにできるのが売ることです。  この売る行為、最近ではかなりカジュアルにできるようになりましたね。メーカーの下取りサービス、リサイクルショップ、ヤフオク!などを使う人も多いでしょう。メルカリなどのフリマアプリも充実していますね。今やママたちも子供の着られなくなった服を売って、儲けた金額でお下がりを買う、といった消費も当たり前の文化なっているようです。  たしかに、これはとても効率的。需要と供給もバッチリで無駄がありません。

必要がなくなったものを売ってお金にするのもいいけど……

 でも、正直、面倒くさいと思いませんか?  リサイクルショップに持っていく手間、フリマアプリで売るための交渉、梱包など。それも、大抵のモノが、大した金額にならないことは実践したことがある方であれば、ご存じのとおり。もちろん、もともと処分するつもりだから数百円でも売れたらマシ、使ってくれる人がいただけマシと思っている人もいるでしょう。捨てるのはたしかにもったいない行為ですし、粗大ゴミの場合、逆にお金もかかってしまいます。  こんな感じで、単に「売る」と言われても現実的ではありません。あなたの持ち物は、全部が全部売れる価値のあるモノばかりでしょうか? 売れたとしてもたいした額にはならないのではないでしょうか。  ただ単に、「捨てる」を「売る」に変換しただけでは、うまくいきません。当然です。だって問題は「買っては捨てる」の「買う」、つまり消費のほうにあるのですから。  はっきり言います。そもそも売れないようなモノを買う行為自体がダメなんです。  買う場合は、「ときめくかどうか」だけではなく、「自分以外の誰かに高く売れるかどうか」も同時に考えて買うべきなのです。これが、私が最も伝えたいことなのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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