恋愛・結婚

「妻の浮気」を見過ごす夫。離婚したくてもできない事情って?

親権問題で離婚を躊躇

「帰宅が午前様になってきたんです。それもしれっとした態度。朝帰りの理由を聞くと『関係ないでしょ』とか『あなたは仕事をしていればいいんだから』と僕に暴言を吐く。そのうち、子供達にまで暴言を浴びせるようになってきて…」  笹川さんは離婚を真剣に考えた。だが離婚すると、ほとんどのケースが母親に親権が渡ることを知る。「素行が悪い妻に子供を預けられない」とまた悶々としてしまう。 「子供が心配で離婚できない。そこで素行の悪い妻がお金を使い込まないようにお金を管理したり、平日は残業がありますが、子供を守るために早めに帰宅することを心がけるようになりました」 不倫妻 妻の素行の悪さや暴言から、気を張って子供たちを守っている笹川さん。だが、「妻が男と駆け落ちしていなくなったらどうしよう」「そのことで子供がいじめられるのではないだろうか」と、気が休まる日は無い。 「家のローンもあるし、子供も小さいし、世間体も悪い等の理由で、妻の浮気に耐えて離婚せずに我慢しているエリート男性が後を絶ちません」と語るのは、「離婚110番」の渋川良幸氏。1992年から離婚カウンセラーとして延べ3万7千人の相談を受けてきた同氏は、夫婦問題のアドバイザーも担っている。 「笹川さんの場合は、15年間の結婚生活で夫が知らぬ間に、妻が精神的にボロボロになっていったのでしょう。妻の荒廃した姿にショックを受けても、『もう少し様子を見たい』『妻を信じたい』『結婚生活を頑張りたいと』と妻を肯定し、結婚を失敗したと思い込みたくないので歳月が流れてしまうのが一番危険。離婚できない泥沼問題に突入してしまうんです」  笹川さんのような結婚生活は、子供を守るという支えがあってこそ。子供が成人し独立したとき、一体彼はどうするのだろうか。昔の妻に戻す努力も大切だろうが、その先にある自身の未来についても思いを馳せるべきだと思う。<取材・文/夏目かをる>
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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