11歳年下の妻にバットで殴られる夫。男がDV被害者になるケースは意外と多い
昨今、DVや虐待など痛ましい報道が続いている。だが暴力の加害者は男性だけとは限らない。時には恋人や妻からのDVで苦しんでいる男性もいるのだ。
警察庁がまとめた全国のDV相談件数は右肩上がりで、平成29年の「配偶者からの暴力」相談は7万2455件にのぼるが、うち17.2%は「男性が被害者」なのである。女性が被害者のパターンより少ないとはいえ、男性被害者も年々増えている。だが、問題視されにくい。
1992年から「離婚110番」を主宰する澁川良幸氏(離婚カウンセラー・夫婦問題アドバイザー)のところにも、妻からのDVについての相談が数多く寄せられるという。そこで、澁川氏の話を元に、その実例をまとめた。
「1年ぐらい前から仕事で遅く帰宅すると、妻から『正座しろ』と命じられます。2~3時間玄関で従っていると、今度はバットを持ちだして、足を殴打されるんです。体は痛いし寝不足だし、心身ともにきつくなります」
こう頭を抱えるのは、IT企業役員の相模博人さん(仮名・34歳)。年収1000万円以上で高収入の相模さんは、3年前の合コンで、11歳年下の妻と知り合って、2年前に結婚。妻は恋愛に対してオクテで、しかも彼女にとって相模さんが初めての男性だった。
「結婚すると妻は専業主婦になりました。あまり社交的でない彼女は、友達とランチしたりショッピングすることなく、ほとんど1日中家にいて、僕の帰りを待っていたんです」
そんな妻は結婚2年目を迎えると、言葉で相模さんをなじるようになった。
「仕事の付き合いが多くて、帰りが深夜の1時、2時まで及ぶこともあるんです。すると妻は『女だな!』と怒りまくって。もちろん、妻の妄想ですよ」
会社役員とはいえ、現場主義で自ら営業をすることもある相模さん。クライアントへの接待ももちろん多い。だが妻は、『そんなのウソだ!』と頑として聞き入れなかった。妻はずっと家に一人でいるうちに、夫の浮気を妄想するようになったのだ。
そしてそのうち、バットを持ち出すようになったという。
「もともとバットは護身用に実家から持ってきたんです。彼女の兄が小さい頃に使っていた古いバットが、護身用どころか僕へのDV道具になるなんて…」
だんだんエスカレートした妻に、最近では就寝している時にたたき起こされる。正座しろと言われ、バットで殴られるのだそうだ。そして、「帰宅が遅い、仕事を言い訳するんじゃない」と妻にすごまれてしまう。
相模さんは一体なぜ、こうも無抵抗なのかが気になるが、彼なりに思うことがあったという。
「友達が少なく、ほとんど家にいる妻に対し『可哀想』と同情の気持ちがあったんです。そのため、怒っていても強気に出られなかった。我慢してしまったんですよね」
妻にとって“初めての男”だった

恋愛経験の乏しい妻の嫉妬から…

1
2
【関連キーワードから記事を探す】
「痴漢に遭ったことを告げるとビンタされた」豹変した彼氏に別れを告げた結果、まさかの展開に
「脚の長さを測られて『短い』と笑われたことも」DV被害者の“30代娘”が語る両親との絶縁
「浮気しやがって」「ぶっ殺してやる!」DV妻に何度も殺されかけた40代男性に起きた“悲劇”
「妻にバットで殴られ、刃物で切られた」男のDV被害、“報道されない”実態を支援者が語る
「トラウマで吐いたりするほど病んでいた」19歳で家出した少女が「風俗は福祉」と語るワケ
「あなたは何の役にも立ってないね」妻の言葉で、家庭は“地獄絵図”に。心を殺して耐える45歳男性の叫び
「男なら一日3回射精して」ひと回り年下の妻と結婚した男性、40代の心身にこたえた過酷すぎる妊活の日々
「“即離婚”だけが道じゃない」元“キレる妻”の漫画家が語る離婚以外の選択肢
5人に1人はDV被害者?全国2614人の既婚男性に実施したアンケートで耐え続ける男たちの実像が明らかに
6分遅れの帰宅に妻が激怒、親との通話は5分制限、子供の残飯でSDGs…。社会的DVで周囲と孤立も
この記者は、他にもこんな記事を書いています