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2020年・大学入試の激変で、もう丸暗記じゃダメ。新科目「歴史総合」とは?

正しく歴史を勉強すれば、記述問題は苦手じゃなくなる

H1_日本一の社会科講師が教える読んだら忘れない明治維新

『日本一の社会科講師が教える 読んだら忘れない明治維新』(アスコム刊)

 新たに導入される「歴史総合」の科目で最初に取り上げられる明治維新。その明治維新を、なんと「伊藤博文くん(初代総理)」が語るストーリー仕立てにして、イラストと共に解説したのが本書だ。  伊藤賀一氏は、「歴史は出来事や人物名を覚える暗記科目ではなく、一つひとつの事象が繫がり合ってできたストーリーを読み解いていく科目であり、歴史を自分の言葉で話すことが、記述式問題を解くカギです」と言う。ここで、本文の一部を抜粋すると――。 ================= 「歴史を自分の言葉にして人に伝える」ためには、一つひとつの出来事について読み解くための読解力、その出来事について熟考して出来事のつながりに気づくための判断力や思考力、そして、自分の持っている知識を言語化する表現力、さらには表現するための語彙力や国語力なども必要になります。  逆にいえば、「歴史を自分の言葉にして人に伝える」ことによって、それらの力を身につけられます。これからの入試では、暗記しただけは答えられない記述式の問題が増加します。その訓練にもなるのです。(本書P8〜9より) =================  つまり、歴史を大きなストーリーとして読み解きそれを人に伝えることで、様々な教科で導入される記述式問題の対策になるというのだ。

問題集の中から記述試験の予想問題を解いてみよう

 暗記だけで歴史を学んできた世代は、たとえば、この問題に答えられるだろうか。 ================= 問題:もし「大政奉還」が行われていなければ、何が起き、その結果日本はどうなっていただろう?(本書P181今後の予想問題より) =================  ちなみに以下がこの問題の回答例だ。 ================= 回答例:『薩長を中心とする武力討幕派と幕府を中心とする公武合体派の間で全面戦争が起きて被害が拡大し、イギリスやフランスが日本に大きく進出していた。』 ================= 「歴史が好きな子、一生懸命勉強してきた子に共通するのは、社会人になってからも面白い仕事について楽しみながら働いていることです」(伊藤氏) 「もうとっくに受験勉強を終えた自分には関係の無い話だ」と思っている人もいるかもしれない。だが、これからの子供達は暗記だけじゃなく、自分で考えて意見をまとめるスキルを身に付けている。そんな彼らが学校を卒業して自分の部下になっていくと考えると、もう一度明治維新をきっかけにして、近現代の歴史からを見直してみてはどうか。  また、私たちの子供世代には、記述試験が加わった「大学入学共通テスト」が深く関係してくる。歴史の勉強をしている我が子に向かって、「歴史の勉強なんて暗記なんだから、とにかく覚えなさい」などと時代遅れなアドバイスをするような大人になってはいけない。 「どんなことを勉強しているのか父さんに教えてくれ」と声をかけ、子供に自分の言葉で時系列や事象を絡めて歴史を解説させるよう誘導してあげよう。それこそが、これからの時代の親に求められていることなのだ。勉強の手伝いをしてあげられるようになれば父親の株も上がることだろう。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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