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消費税増税に反対する有識者の主張「日本が借金大国なんてウソ」

 消費税は’14年4月、第2次安倍内閣のもとで現在の8%となった。その後、’15年10月、’16年6月と2度、10%への引き上げは先送りされてきたが’19年10月に予定どおり引き上げを行うと、安倍首相は表明。施政方針演説では、「全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引き上げによる安定的な財源がどうしても必要」と、国民に増税への理解を求めたが、消費税増税に反対する有識者もいる。その反対理由とはーー?

不況

財政は改善中。経済不況こそ将来に残すな


 消費税増税はしたくないものの、「社会保障のためにはやっぱり増税は避けられない」「増税をして借金を減らしておかないと将来にツケを残すことになる」という国民の声は意外に多い。日本人は消費税増税に非常に理解がある。しかし、経済学者の飯田泰之氏は「日本の財政は改善している」と指摘する。

「一般的に財政の持続可能性はGDPに対する債務残高を見ますが、’12年度を境に上昇トレンドを緩め、’18年度にはほぼ横ばいに達しつつあります。この明確な変化も前回の消費税増税が行われた’14年がトレンドの転換点ではないことがポイントです。つまり消費税増税によって財政が改善したのではなく、安倍政権の金融緩和のなかで着実に財政状況を改善させてきたということです」

債務残高の対GDP比の推移

【債務残高の対GDP比の推移】’12年度を境に上昇傾向は緩み、’18年度にはほぼ横ばいに。財政状況は改善され、破綻の懸念は小さくなっている

 債務残高対GDPが限りなく増え続けることをもって財政破綻の定義とすることが多いが、その基準に従うならば、財政破綻の懸念は小さくなっているということだ。

日本が借金大国なんてウソ!?


 それだけではない。昨年10月に国の財政を分析したIMFの「財政モニター報告書」が公表された。これによると、国の債務だけでなく資産の面にも注目すると、日本のネット債務残高はほぼゼロで、G7のなかで2番目にいい状況だという。つまり「日本の財政が悪い」というのはまったくのまやかしで、財政は問題ないとIMFも認めているというのだ。

「将来世代に現役世代の借金のツケを残すな」という声もあるが、元内閣官房参与の藤井聡氏は「将来に残していけないのは経済不況そのもの」と訴える。

「消費税増税をすると景気が悪くなり、税収自体が減ってしまう。その結果、借金はかえって増え、将来の社会保障も難しくなってしまいます。それどころか、増税すると日本は成長できなくなり、経済力、科学技術力や防災力、国防力といったあらゆる側面で国力が弱体化し、アジアの最貧国の一つになりかねないという悪夢のような未来が将来世代に“ツケ回される”ことになるのです」

 また、消費税増税に伴い、さまざまな負担軽減策、還付を予定しているが、それ自体が財政を悪化させる。国民民主党・玉木雄一郎代表は、消費税増税分をすべて還元する規模の対策を講じるなら「増税をやめたほうがマシだ」と与党を糾弾した。これはもっともな批判だろう。

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消費税よりも先に法人税の引き上げを

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