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日の丸と、韓国に批判される旭日旗に、毎日敬礼する自衛隊員の想いとは

小笠原理恵「自衛隊ができない100のこと 55」

自衛艦旗を掲げることは国際法上のルール


自衛隊

提供/US Marine Corps

 陸上自衛隊と航空自衛隊では毎朝8時に国旗が掲揚され、課業終了時間である17時に降下されます(定時には多少ばらつきがあります)。これは雨が降ろうが槍が降ろうが、我が国が占領統治でもされない限り毎日続けられます。

 海上自衛隊だけは国際慣例に従い、日没時に国旗を降下することになっています。これは大航海時代からの国際慣習です。海上自衛隊の艦艇では船の前方に国旗、船尾に自衛艦旗(旭日旗)を掲揚します。海のルールでは軍艦旗(我が国では自衛艦旗)を揚げることで戦時国際法や国際慣習法にある軍艦としての特権を受けることになります。憲法9条があるため、海上自衛隊の艦艇を軍艦と呼ぶことはできませんが、国際法のルールを守っているのです。

 それは外国からとやかく言われるものではありません。昨年10月、韓国の国際観艦式に招待された折に韓国から自衛艦隊旗を掲揚しないようにとの自粛要請がありました(※)。しかし、繰り返しになりますが、自衛隊の艦艇は国旗や自衛艦旗を掲揚して航行するべき船であり、そのようなルールを無視した航行はできませんから、出席を見送りました。
 先日勇退された河野克俊統幕長が「海上自衛官にとって自衛艦旗は誇りだ。降ろしていくことは絶対にない」とコメントを残していますが、至極当然のことです。

※編集部注:自衛艦旗として旧海軍時代と同じデザインの「旭日旗」が採用されていることから、近年、韓国世論では「戦前の日本軍を想起させる」として批判が高まっている

なぜ国旗や自衛艦旗に敬礼するのか?


「国旗とは何なのか?なぜ、国旗に軍人は敬礼するのか?」と元指揮官に聞いてみました。「国家、国の尊厳を表象するものだから、敬意を表すべきもの。海上自衛隊で言えば、国籍を表す旗は軍艦としての地位、権限を行使するのに必要なもの」との明快な返事が返ってきました。

 国旗はその国の誇りを形にしたものです。また自衛隊旗や自衛艦旗は日の丸と同様に自衛隊の連隊や艦隊の誇りを形にしたものです。日の丸が16条の旭の光を放つ旭日旗は、旧海軍の伝統を受け継ぐ洗練されたデザインの旗です。これも我が国の大切な旗です。

 しかし、我が国には国旗や国歌を嫌う人たちがいて、学校現場での国旗掲揚・国歌斉唱に反対する人たちもいます。自らの国の尊厳をそのように狭めて窮屈に考えてしまうこと自体に疑問を感じます。

 自衛隊にも学校があります。そこでは朝早くラッパの合図とともに新入隊員が隊舎から駆け出し、校庭に集まります。国旗を掲揚した後、体操したり学習したり課業を始めるのです。自衛隊の学校では国旗や自衛艦旗は文字通り生活の中に溶け込んでいました。象徴的な写真をご覧ください。海上自衛隊の教育隊の修業式の一枚です。新人自衛官たちの船出を屋上から大きな自衛艦旗を全身で翻して祝福している写真です。自衛隊の誇りであるこの旗を掲揚するなという感覚がどうしてもわからないのです。

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撮影/小笠原理恵

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在日米軍基地での「日の丸」の扱い方

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