自衛官志望ではないのに防大に入学、卒業後は広告代理店に…任官拒否者が語る「母校への感謝」
3月に行われた防衛大学校の卒業式では、任官拒否者が全体の1割以上となり、過去4番目の多さとなった。では、彼らは卒業後、どういう人生を歩んでいるのだろうか? 任官拒否した防大OBに語ってもらった。
自衛官志望でないのに、高校生から防大志望だったというAさん。卒業後、1年間の就職浪人をし大手広告代理店に就職した。防大を目指した理由は?
「防大でしか学べない知識があるから。とくに統率・戦史、作戦といった防衛学を頑張りました。ビジネスシーンは日々、戦いですから戦争の原理を学ぶことは大切です。これは一般大学では学べないことですよね。あと政治家に憧れていた時期もあるので、自衛隊幹部とコネクションができると思ったからです」
とはいえ学生生活で任官を考えたことはなかったのか。
「自衛隊は徹底したマニュアル社会。上は将官、下は2士まで自分で何かを企画し、実行する機会に恵まれません。私は自分の頭で考えて動きたかった。それだけです」
今、広告マンとして販売促進(SP)分野で働くAさんは、防大で学んだことが生きていると語る。
「広告マンとして販売戦略を立てる際、何を攻め、どう攻略するか。そのためには誰を動かせば組織として機能するか、常に考えています。これは防大で学んだ人と組織の動かし方そのままです」
母校への感謝は尽きないと言う。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/陸上自衛隊HP>
※4/19発売の『週刊SPA!』では、「任官拒否[防大卒業者]の知られざる進路」という特集を掲載中
![]() |
『週刊SPA!4/26号(4/19発売)』 表紙の人/ 松岡茉優 電子雑誌版も発売中! 詳細・購入はこちらから ※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める! |
【関連キーワードから記事を探す】
防衛大学で学んだスキルがきっかけで“人事のプロ”になった男
防衛大学を卒業してブラック企業へ就職…任官拒否した若者のその後
増える任官拒否…防衛大学卒業生が選んだその後の人生
自衛官志望ではないのに防大に入学、卒業後は広告代理店に…任官拒否者が語る「母校への感謝」
発達障害を公表したら“職場いじめ”の対象に…県庁勤務の男性(45歳)が激白「あなたが悪いと一蹴され」
「新卒の給料は19万」元消防士が語る厳しい懐事情。転職するにも「他の職業で活かせるスキルがない」
「中途採用なのに職歴ゼロ」地方公務員たちの“民間とは違う”働き方のリアル
非正規率は民間企業より高いケースも「手取り月20万円未満」非正規公務員の苦境
46歳で早期退職した元自衛官、59歳で「年収1500万円」に到達するまで
日本のパレスチナ支援“100億円のゆくえ”を、政府が確かめようとしない理由
主要先進国はなぜパレスチナへの資金援助を見直したのか。“間接的なテロ支援”とする主張の背景
日本人の大半がウクライナ侵略を「予測できなかった」理由が絶望的だった
ハマスの「パレスチナ人を守る」は嘘だといえる理由。女性・子供を利用する“ヤバい思想”とは
ニュースで報じない「ハマスの最終目的」とは?日本のメディアが“中立であるフリもしない”理由
「増税メガネ」とイジってる場合じゃない!「裏流行語大賞2023」泥沼の政治編を選出
銃撃され死亡した中村哲医師、アフガンで語っていた「平和に必要なのは軍隊じゃない」
パレスチナの虐殺 カメラを構えた正面にイスラエル軍の銃口が…
「世界最悪の眺め」のホテルに行ってみた。覆面アーティスト、バンクシーがオープン
日本企業が、非人道兵器「クラスター爆弾」製造企業に4年で約2200億円を投融資
手取り15万円、ブラック職場…半年以内に1割が辞める「定年自衛官」のキツすぎる再就職事情
「汚れた東京湾を8キロ泳いだ」防衛大卒の女性が語る学生生活。学内の“恋愛事情”も
「即応予備自衛官」の待遇改善は進んだのか?給与の支払いまで半年かかった例も…
28歳・元自衛官が民間企業に転職したら後悔の嵐だった理由
現役自衛官はなぜ勲章をつけていないのか?海外軍人と大違いの実情