更新日:2023年03月22日 10:07
ニュース

安倍政権は「民主党よりマシ」以外に何の成果を出したのか/倉山満

「アメリカ幕府の外様大名」は、中国の手下よりマシ

 では、安倍首相以外の人の手による増税延期、衆参同日選挙に関してはどうか。反対はしない。  後継首相の候補者は、菅義偉官房長官をおいて他にあるまい。6年の安倍政権を切り盛りしてきた力量は誰もが知っている。最近は「令和おじさん」として知名度は上がった。また連休明けには、官房長官としては異例の訪米をした。江戸時代なら次期大名家当主が将軍様に「お目見え」をしたものだが、似たようなものか。  ここで「どうなるか?」ではなく、「どうするか?」で考えてみよう。  安倍首相が増税の不可を宣言する。そして、総辞職。電撃的に自民党総裁選を行い、一気に菅内閣を樹立。人心一新、増税の単なる延期ではなく景気回復までの凍結を公約に総選挙を断行する。そうすれば大勝もありうるだろう。ここまでやるシナリオなら支持できる。  だが、単なる延期程度なら意味がない理由は既に述べた。景気回復など軽くやってもらう政治でなければ困るのだ。そして、仮に「菅内閣大勝シナリオ」に飛び込んだとしても、先は明るくなさそうだ。  菅氏は安全保障には暗く、2015年の安保法制騒動では辻元清美代議士に一撃で論破された過去もある。  何より、一連の譲位の過程で責任者でもあった。その間、何が起きたか。「上皇后」の新儀、元号の事前公表、「令和」のキラキラネーム。そして、「天皇ロボット説」を以前よりも強固にされた。これで、女系は論外として、女帝や女性宮家をやられては、たまったものではない。  それでも「アメリカ幕府の外様大名」は、中国の手下よりマシか……。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

噓だらけの日本古代史噓だらけの日本古代史

ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作は、日本の神話から平安時代までの嘘を暴く!

1
2
3
13歳からの「くにまもり」

あなたが総理大臣だったら何をしますか?


嘘だらけの日独近現代史

世界大戦に二度も負けたのに、なぜドイツは立ち直れたのか?

おすすめ記事