ラブホテル主任から芸人まで…引きこもりから脱出した男たち
世間に衝撃が走った川崎殺傷事件から2か月が経つ。今回は引きこもりから一念発起して抜け出した男たちを取材。当時の心境や、状況を変えた経緯、事件に対して思うことなどを語ってもらった。
「引きこもりの時期に価値があったとは思いません。むしろ、あの時期って無駄だったなぁと思えることも大事かも。引きこもってなくても無駄な時期ってありますし」
そう語るのは芸能事務所タイタンに所属する芸人・ミヤシタガクさん(40歳)。17歳から23歳まで6年間引きこもった経験を持つ。
「子供のころに、兄や父親がテレビの中のドリフに夢中になっている姿を見て衝撃を受けた。あれが芸人に憧れをもったきっかけだった気がします。明確に意識し出したのは中学校のころでしたが、家庭の雰囲気として芸人になることは許されないだろうなと感じ、高2のころからなんとなく引きこもるようになりました。」
その後、学校に行くモチベーションも上がらず、家族と交流する気にもならなくなり、漫然と家で引きこもる日々が続いた。
「今思えば、こうでもしないと芸人の道を許してくれないだろうという見込みの上での行動だったのかもしれません。大学を出て芸人を目指すというルートも、どうせ反対されるのが目に見えていましたから」
当初は友人と外出することもあったが、次第に疎遠になり、やがてちょっとした外出も億劫になった。子供のころから重度の皮膚アレルギーを抱えていたため皮膚科に通院していたが、医師から現況を聞かれるのが嫌で通わなくなった。
「だんだん部屋からも出なくなり、テレビを観たり、新聞を読んだりして漫然と過ごすようになりました。ネットなども部屋にはなかったですし、特に楽しみもなかったですね」
精神的な不調が最も強い時には「小さな穴から虫が湧いてくるのでは」という強迫観念に悩まされることもあった。
「引きこもって6年目になり、自分でも『これ以上はヤバいかも』というタイミングで、上京を決意し家を出ました。ちょうど同級生が大学を卒業するタイミング。稀に連絡をくれる中高からの友達がいたのですが、今ならその子と組んでお笑いができるかもと思ったんです。親も真っ当な道はあきらめてくれたようで、芸人を志すことを受け入れてくれました」
17歳から6年間引きこもり後、芸人に
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