仕事

仕事が苦痛、出世もできないダメ社員は「怠け者のプロ」になれ。その極意は

新卒時はバブル崩壊、就職氷河期、そして今はコロナ禍でリストラ、失業危機とシビアな社会人人生を歩む40代、50代の会社員。何かと板挟みになることも多く、疲弊している人も多いだろう。しかし、ここで思考停止してしまっては、あっという間に時代から置き去りにされてしまう。職場で「イケてる中年」にアップデートするために、具体的な事例を見ていこう。

CASE1:給料が安いし仕事も楽しくない。会社に行きたくない

イケてる中年

写真はイメージです

 週刊SPA!では「自分の居場所がない」と感じる40代、50代男性会社員500人にアンケートを実施。「職場で辛いことは何ですか?」という質問に対し、4割近くが「仕事が楽しくない」「そのうえ、給料が安い」と感じていた。この問題について、コピーライター・田中泰延氏はこう語る。 「仕事が苦痛で出世もしていない時点でダメ社員なわけですが、裏を返せば『出世もしないで給料をもらい続けている』ってすごいこと。自分も47歳で独立するまでヒラ社員で喫煙所の主。同期は役員に出世するヤツもいましたが、逆に僕は『伝説のダメ社員になったろう』と思ってました。『働きアリの法則』ってありますよね。どんな組織でも有能2割、普通6割、怠け者2割になるという。だから、僕は怠け者を全力で楽しみました」  ただし、最悪なのは「卑屈な怠け者」になることだと続ける。 「出世もしてないし、仕事に情熱もなく、不機嫌オーラだけをまき散らす。挨拶しても、ろくに返さない。上の世代を見てもいっぱいいました、こういう“地獄のロールモデル”が。  一方、怠け者のプロは、笑顔を絶やさず、挨拶と感謝を忘れない。そして、『あの人、ダメなんだけど、なんだかんだ楽しそうに生き抜いてるなあ』と舐められるくらいのポジションをがっちりキープ。こうした愛されキャラって意外とレアで、働きやすい環境をつくるという意味では、とても大切な役割なんです」  出世コースから外れてしまった中年が正攻法で逆転するのは至難の業だが、“仕事の張り合い”は何も出世だけではないのだ。

CASE2:仕事ができない後輩にアドバイスしたらパワハラと言われた!

 部下や後輩の成長を思うがあまり叱ってしまったことで人事部に駆け込まれ……。そんなケースも珍しくない昨今、田中氏は「たとえ悪気はなかったとしても、会社員に上下関係があると思っている時点で勘違い」と指摘する。 「上司と部下、年上と年下といっても、会社員はすべて『起業した誰かのビジネスをお手伝いしている人』でしかなく、本質的にはフラット。それなのに、まるで自分の会社のように上下関係を強要したり、使える使えないと勝手に判断してしまう人が非常に多い。  そうではなく、ひとつのプロジェクト・部署でチームという認識がベストで、なんなら『一緒に辞めて、このチームで起業しようぜ!』と言えるような関係性を築けたら最高です。たとえば、工業用資材を扱う東証一部上場の『MonotaRO』という会社は、住友商事の上司と部下が一緒に起業した会社です」  また、営業企画会社・おくりバント代表の高山洋平氏は「仕事を語る前に男を語れ」と力説。 「会社に帰属意識の低い若者に“サラリーマン道”を熱く語っても響くわけがありません。すでにボタンの掛け違え。  自分の場合、たとえば部下が取引先とトラブルを起こしたときなどは、ハードボイルド漫画の第一人者・寺沢武一著『ゴクウ』の台詞を引用して、こう言います。『かまわないさ、トラブルは俺のミドルネームだ』と。内心では『とんでもないことしてくれたな!』と冷や汗だらだらですけど(笑)」  責任を後輩に押しつけるなんてもってのほか。叱るより、やせ我慢してでも背中を見せつけるのが、これからの時代の男のマナーだ。
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年下の上司や後輩に無能扱いされたら
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