更新日:2023年04月18日 11:04
恋愛・結婚

娘といたら誘拐と通報された劔樹人さん「育児パパは見た目で損するか?」を当人に聞いた

双子の女児を育てる筆者も冤罪の憂き目に…

 ここで触れておきたいのは、劔さんの新幹線誘拐疑惑事件は決して特殊なケースではないということだ。  かくいう私自身、四十代半ばにして「小野田」と自分の名字がプリントされたTシャツを好んで着るような外見だが、近所の児童センターで子供と一緒にいたところ、職員から「あなた、それ虐待ですよッ!」と激しく詰め寄られた経験がある。  そのときは次の予定があったため帰ろうとしたのだが、あまりにも子供が言うことを聞かなかった。そこで「ほらほら~、早くしないと鬼さんが来るよ~」と『鬼から電話』アプリ(※子育て世代必須の幼児用ビビらせソフト)を見せる真似をしたのだ。  すると、それこそ鬼の形相をした40代半ばの女性職員が飛んできて、私のiPhoneを取り上げながら前述のように一喝したというわけである。  こうなるともう何を言っても無駄な抵抗。「どんなことがあっても、怖がる動画を見せようとすることは虐待ですッ!」の一点張りで、こちらの主張を聞く耳すら持たない。  双子の娘たちは女性職員の必死な形相と金切声に気圧され、完全に震えあがっていた。一体、どちらが虐待だというのか。

スーパーのおもちゃ売り場でも

 こんなこともあった。大型スーパーでの出来事だ。おもちゃ売り場でまったく動かなくなった子供に教育的指導をするため、「だったらパパはもう行くからね。バイバイ」と伝えて私はその場を去ることにした。さりとて、もちろん柱の陰から子供の様子をしっかり注視していたことは言うまでもない。    しかし置いてけぼりにされた(ように見える)うちの子供を、初老の男性が発見。正義感にかられて「育児放棄か! 親は何をやっておる!」などと騒ぎ始めたのである。劔さんの新幹線疑惑事件ほどではないにせよ、このときも店員がワラワラ集まってきてしまい事態回収に大変な手間がかかった。  このような話を周囲に愚痴っていたところ、知人の中にも似たような冤罪事件に巻き込まれている例が多くあることを私は知った。たとえば自営業の原田雅之さん(仮名・40歳)の場合。2歳でイヤイヤ期に突入した娘は、泣くときに「痛い、痛い!」と叫ぶのが口癖なのだという。  第一次反抗期とも呼ばれるイヤイヤ期において、子供はMAXの力で暴れてくるものの、何に対して反抗しているのか自分自身も理解していないことが多い。したがって親としては手の打ちようもないことがしばしばあるのだ。 「あれは原宿の街中でした。その日も娘が『痛い!』とか言いながら泣いていたんですけど、いつものことかと放置していたんです。そうしたら60過ぎの男性と代々木署の警察官4人に囲まれて『今、虐待していただろ!』って……。通報した男性なんて、すごい勢いで自分の胸ぐらを掴んできましたからね。いくら幼児虐待が社会問題化しているからといって、もうちょっと冷静に状況を見てから動いてほしいですよ」(原田さん)  残念なことに、原田さんは顔だけ見ると『闇金ウシジマくん』に出てくるヤクザの企業舎弟そのもの。そして私も視力が悪いため、学生時代からヤンキーや輩から「何ガンくれてんだよ!」と散々街中で絡まれてきた。認めたくないが、2人とも“職質顔”であることは間違いない。つまりこれは「イケメンにあらざるばイクメンにあらず」ということなのか? だとしたら、あまりにも理不尽な仕打ちではないか。いずれにせよ、ブサメンパパの受難はまだまだ続きそうだ。〈取材・文/小野田 衛〉
出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。
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