C3エアクロスは日本人にウケる!
永福:で、今回はC3のSUV版、C3エアクロスに試乗したわけだ。ヒット中のC3をベースに、売れ筋のSUVに仕立てたモデルだが、ただ車高を上げただけじゃない。ボディ形状が微妙に全部違う。
C3エアクロスはC3同様、最高出力110馬力の1.2リッター3気筒ガソリンターボエンジンに6ATの組み合わせ。大きく見えるが、ボディサイズは4160×1765×1630mm(全長×全幅×全高)
K:C3はもっと全体に丸っこいですけど、エアクロスはわりと四角いんですよね。
永福:角が丸まった四角さ。これはおそらく日本人にウケる! 値段もトヨタのRAV4くらいだし。
K:けっこう安いですよね~。
永福:この値段で、周囲から珍しがられて、オシャレだと絶賛されれば、もう元は取ったようなもんだろう。全幅も狭めで取り回しもイイ。FFしかないが、4WDなんかフツーはいらない。実はRAV4より、日本の風土に合ってると思うぞ。
K:シトロエンなのに先進安全装備もちゃんと付いてますしね。
永福:自動ブレーキ、前車追従クルーズコントロール、そしてステアリングアシストまで付いて、その性能もドイツ車と遜色ない!
価格は259万円~。シトロエンオーナーとして、ホイールが16インチと17インチの試乗車を乗り比べたところ、17インチのほうが、よりシトロエンっぽい、ふんわりとした乗り心地。ハイドロじゃなくても十分シトロエンでした
K:どうして急にドイツ車に追いついたんですか?
永福:あのゴーンさんにルノーを追い出されたタバレス氏がプジョー・シトロエングループのトップになって大改革に成功したってことかな。ルノー・日産連合とは対照的にプジョー・シトロエンは業績好調なんだ。
K:えっ、ゴーンさんに追い出された人が、プジョー・シトロエンで成功したんですか!?
永福:皮肉な話だな……。
K:シトロエンオーナーとしては、C3エアクロスがヒットして、ディーラーが故郷の青森にもできることを祈ります。帰省の時、故障したら、岩手まで行かないとないので~。
永福:もう故障なんかしないよ!
【結論!】
久しぶりに、このクルマ「真剣に欲しい!」と、カーマニアの血が騒ぎました。お買い得だし、ふだん乗るのにすべてがちょうどいい。なによりカーマニアにとって、シトロエンというブランドは特別なので!
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『
そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『
首都高速の謎』『
高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中