カーライフ

シトロエンというクルマは古いほどエライ…理解不能なクルマ変態の狂気

 シトロエンというクルマ変態が大好きな自動車メーカーをご存じでしょうか? シトロエンマニアは、フェラーリやランボルギーニなどスーパーカーを愛するカーマニアとは別の人種であります。特に古いシトロエンには「緑の血を吐いて息絶える」という伝説があるなどクルマ変態が身もだえる逸話が数々。最後のクルマは古いシトロエンにしたい……。変態の夢です。
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永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

古ければ古いほどエライクルマ。カーマニアが憧れるシトロエンの深淵

 新型コロナウイルスの影響でクルマどころじゃない! 特に輸入車は、輸入そのものが止まってメッタメタ!かと思ったら、意外や意外、今のところそれほど劇的な影響は出ていない。4月の輸入車の新規登録台数を見ると、前年同月比でたったの33%減。緊急事態宣言下、存外多くのみなさまが、ガイシャの納車を迎えておったのですね。  なかでもシトロエンは、前年同月比72%増という、信じられない数字を叩き出した。ひょっとしてコロナ太り?なわけはないと思いつつ、SPA!モテないカーマニア軍団のシトロエンオーナー2名が、シトロエンについて熱く語ってみた。 担当K:この4月、シトロエンの数字が伸びたのはなんでですか? 永福:カングー風のベルランゴが主な要因だってさ。限定数百台があっという間に売り切れて、その納車が集中したんだ。 担当K:はあ~、それですか! 永福:それを除いても、シトロエンの販売はC3とC3エアクロスがけん引して、最近好調なんだよね。コロナ下でも、来店客数はそれほど減ってないらしい。 担当K:C5エアクロスが売れてるわけじゃないですよね? 永福:そうね。俺は元C5オーナー、キミは現C5オーナー。C5の名を継承したモデルに売れてほしい気持ちはあるけどね。
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シトロエンC5エアクロスは、1.6リッターガソリンターボモデルが409万円、2リッターディーゼルターボモデルが431万9000円。売りは、「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」というメカなのですが、クルマ変態が好きなハイドロサスとは中身が違います

担当K:C5エアクロスでハイドロサスが復活!って聞いたんで、期待してましたけど、これは以前のハイドロとは違いますね。 永福:ハイドロはハイドロでも「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」。メカがまるで違う。でも、乗り心地が猛烈に柔らかい点は、似てるっちゃ、似てるでしょ? 担当K:う~ん。僕は清水さんのC5でハイドロの乗り心地に感動して、BMWからC5ツアラーに乗り換えたわけなんですけど、C5エアクロスよりも、僕のC5のほうが乗り心地は柔らかいですよ。 永福:キミのC5は確かにメッチャ柔らかい。スタッドレス履きっぱなしのせいかね? 担当K:その影響はあるかも……。 永福:オレが乗ってたC5と比べると、C5エアクロスのほうがフニャフニャに感じるよ。もうマシュマロみたいにフワッフワだよ! 担当K:見た目もマシュマロマンですしね~。でも僕は、C5なのにセダンやワゴンじゃなく、SUVになっちゃったのが残念です。
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C5ツアラー(現在も所有)は担当Kのクルマ。エグザンティア以外は比較的新しいシトロエン。我々は古いシトロエンは故障が怖いから普段乗るのはちょっと……とビビっている腰抜け変態であります

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世界の潮流は、もはやSUVがスタンダード
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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