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大井JCT通行止め解除で見えた「首都高老朽化」の光と影

 造り替えのため、3年以上通行止めが続いていた首都高・大井JCTの連絡路(湾岸線東行き→羽田線上り方面)が完成し、9月29日(日)から通行止めが解除される。  今回の通行止め解除と同時に、大井JCT内の車線運用も改良され、湾岸線東行きからC2外回りへ向かう部分が、現在の1車線から2車線に増やされる。これまで大井JCT付近には、渋滞を発生させる要因がいくつか存在したが、今回の改良によってそれらがすべて取り除かれ、来週からは、湾岸線東行きからC2外回り方面へ向かう渋滞はほぼ解消されるだろう。

通行止め解除前の事前取材会に行ってきました

 利用者としては、めでたしめでたしというところだが、いったいなぜこの連絡路が長期間通行止めになっていたかと言うと、接続する羽田線・東品川桟橋付近の老朽化が著しく、大規模更新工事(造り直し)が進行中だからだ。今回の開通は、その途中経過として、「連絡路の羽田線上りう回路への接続が完了する」という形に過ぎず、造り直し工事そのものはまだまだ続く。予定では、すべてが完了するのは2026年度となっている。

報道されるように首都高は本当にボロボロなのか?

 羽田線の東品川桟橋付近と言えば、首都高老朽化の象徴。かつてはテレビのニュース映像で、海水に浸されてボロボロになった鉄筋コンクリート表面がたびたびクローズアップされてきた。あの映像を見て、「何かあったら崩れるんじゃないか」と、不安を抱いた人も少なくないが、最近はあまりその映像が取り上げられなくなっていたので、忘れていたかもしれない。

羽田線東品川桟橋付近の老朽化した構造物

 あの現場は現在どうなっているかというと、上り線は陸地側のう回路を使っていて、問題のボロくなった高架は取り壊し中。一方下り線側は、ボロい高架が東京オリンピック前まで使われる。

右から、東京モノレール、ボロいまま使われている下り線、建設中の新しい高架

新しい高架

「あんな崩れかけた高架をまだ使ってるなんて知らなかった! 大丈夫なのか?」  そのような疑問を持たれるだろうが、首都高側の回答は「点検を実施しており、現時点では問題ない」というものだ。  確かに、海水に浸かる部分の鉄筋コンクリート表面は一部がボロボロになったが、それはあくまで「一部の表面部分」だけで、耐震補強工事も行われたため、全体の強度は保たれている(らしい)。先だって行われた取材会では、ボロくなった鉄筋コンクリートの切断面を見ることができたが、内部は意外なほどきれいで、強度に問題はないように見えた。ニュース映像はセンセーショナルな部分だけをクローズアップするので、つい「今にも崩れそうだ」と思ってしまうが、それは一種のフェイクニュースなのである。

手前側の切断面は意外とキレイ。腐食は内部にはまったく浸透してないように見える

 それでもこの区間の造り直しを行っているのは、長期的な観点に立つと、修繕を続けるよりも造り直したほうが安上がりだと判断されたためだ。造り直し後は、100年間大きな修繕なしで維持できる予定だ。
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6700億円かけて進められる首都高の造り直し
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