CMで目にする「技術の日産」というキャッチコピーに、若者はピンとこないかもしれません。「自分で言っちゃう?」と思っている人もいるかも。しかし、かつては「販売のトヨタ、技術の日産」と言われたように日産は技術力を評価されていた自動車メーカー(古くはプリンス自動車の技術ですが)。そんな日産が、条件付きだけど手放し運転できるクルマを作りました!

MJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
やったぜ、日産! ハラハラ、ドキドキ、新型スカイラインで手放し運転してみた
国産乗用車メーカーは8社もあるが、そのなかで一番技術力を持っているのはどこでしょう?
「そんなの、トヨタに決まってんじゃん」
ボンクラ諸君はそのように考えることでしょう。
確かにトヨタの技術力はすごいが、わかりやすい技術で見ると、トヨタが誇るのはハイブリッドと燃料電池だけ。ハイブリッドはEVまでのつなぎだし、燃料電池は普及の見込みゼロ。EVや自動ブレーキ技術では明らかに出遅れた。
となると、どこが日本一なのか。
おそらく日産ではなかろうか。
「えっ、日産!? どう見てもイマイチでしょ~!」
ボンクラ的にはそのような印象をお持ちのことでしょう。
しかし日産の技術力はすさまじい。世界に先駆けてEVを量販し、ハイブリッドでも独自技術の「eパワー」をリリースして国内でヒットさせた。スポーツカーの世界でも、GT-Rは世界の神話。一方トヨタのスポーツカーは、スバルやBMWとの提携で独自開発ではない。
しかも日産は、自動運転技術に関しては、国産メーカーを常にリードしているのだ! 技術的には日産が日本一と言っても過言ではあるまい。
そんな日産がこのたびリリースしたのが、「プロパイロット2.0」を搭載したスカイラインだ。このクルマ、国産車で初めて手放し運転が可能になっております! こんなのトヨタにはまだぜんぜんない! まさにぶっちぎり! それを体験させていただこうじゃないですか。
この手放し運転、安全確保のためさまざまな条件がありまして、まず中央分離帯のある高速道路上じゃないとダメ。プロパイロット2.0はゼンリンの3D高精度地図データと連動しているので、いま自車がいるのがどこかをカンペキに判定する。

高速道路同一車線内で手放し運転ができる機能「プロパイロット2.0」は、新型スカイラインのハイブリッドモデルだけに標準搭載(604万8000円)。今のところ、オプションなどでほかのモデルに搭載することはできません
設定可能な車速は時速60km以上。高速道路上で遅すぎるとキケンですからね。そして制限速度以下。80km制限の中央道で、100kmで手放しするといったインチキも不可能になっております。また、車内のカメラがドライバーの「目」を監視し、わき見や居眠りにも激しく警告いたします。すげぇぞ、日産!