カーライフ

クルマを買い替えるより節約?間違いだらけの洗車をやめてコーティングにしてみた

 免許を取って40年。思えば若いころは洗車が大好きだった……。  27年前、初めてフェラーリを買っての初洗車は、当然固形ワックス手塗り! まさに至福の時だった。オリックス時代のイチローもこう言っていた。「趣味は洗車です」「洗車をすると心も洗われますよ」と。
清水草一

人世を捨てる覚悟で買った初めてのフェラーリは、348tb(90年式)でした

 ただ、そのころの洗車は、今思えば間違いだらけ。ボディにゴシゴシと固形ワックスを塗り込むほどに、ヘアスクラッチ(髪の毛状の細かいキズ)をつけまくっていたのである。  そして今、ワックスは過去のものとなり、コーティングの時代である。洗車はコーティングの表面についた汚れをやさしく落としてやるだけがベスト、というのが定説になった。カーマニアとして一抹の寂しさもあるが、いまさら固形ワックスを塗り込みたくはない。洗車が簡単なうえに長持ちしてボディが光り輝くコーティング万歳!

フェラーリにコーティングはいらない! その理由は……

「そんなに言うなら、大事なフェラーリにコーティングしましょうよ! しかも最上級のヤツを!」(担当K)  担当Kがいう“最上級のヤツ”とは、「EX KeePer」なるもので、お値段はMサイズで12万8500円! ドヒー! Kは青空駐車の愛車シトロエンC5に施工して以来すっかり虜になり、コーティングマウンティングをかましてきたのだ。
シトロエンC5

マウンティングをかましてきた担当KのシトロエンC5ツアラー

 しかし私は断った。 「フェラーリは屋根付き車庫だし、雨の日は乗らないから、もともと完璧にキレイなんだよ。それより足グルマのエリート特急のほうが、最近エリート感が薄れてきてるから、やるならそっちだな」(オレ)
カウンタック

我が家には、カウンタックも駐車できる屋根付き車庫が2台分あり、フェラーリ様はそこに格納されているのです

 愛称「エリート特急」は、3年前にコミコミ255万円で買った先代BMW320d。このお値段でエリート感満点ということで、「特急でエリートになれるクルマ」という意味を込めたのだが、6年落ち走行6万kmとなった現在は、初トラブルで警告灯5連発を発症するなど徐々にエリート感が薄れ、ボンクラ特急の影が感じられる。「EX KeePer」なる最上級のコーティングを施せば、生来のエリート感を取り戻せるやもしれぬ。担当Kの口車に乗ってみることにした。
BMW320d

警告灯が点灯するようになるなど、ひ弱なエリートと化した我が家の320d

ビカビカをビッカビカにしようとするオーナーがいっぱい!

 施工当日、雨のなか近所のKeePer LABO杉並店へ向かうと、まず軽くビックリ。雨なのに多くのクルマが入庫している!  世の中クルマ離れが言われて久しいが、入ってくるクルマはどれもビカビカ。それをもっともっとビッカビカにしようということだろう。オーナーの激しい愛を感じる。うむう。これぞイチローへの道。  ところで我がエリート特急は、ワルなブラックボディのため、大変汚れが目立つ。そこで以前より、近所のスタンドでキーパーの一番ベーシックなコーティング(クリスタルキーパー)を施していた。一度コーティングすれば、その後1年間くらいは軽く洗い流すだけで十分ピカピカになり、カーマニア的に大変コスパと幸福度が高いのである。
BMW320d

エリート特急の名にふさわしかった、在りし日のわが320d

 とはいえ現在は前回の施工から10か月たち、さすがにピカピカパワーが落ちてきている。また、施工の際、「こちらのおクルマ、頑固な雨ジミがついてまして、それは消せませんがよろしいですか?」と言われていた。  そこまでは気にしないのでオッケーなのだが、今回の「EX KeePer」はそういう汚れも完全に落とし、新車状態に戻した上で、マックス最上級の分厚いコーティングを行い、定期的にメンテナンスすれば6年間ピカピカを維持できるという!  マジすか! 6年も! これまで49台クルマを買ってるんで、同じクルマに6年乗ったことがほとんどないけど、カーマニアとして超ウレシイ!  せっかくなので、しばらく作業を見守ることにした。
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まるで新車と化したエリート特急と対面!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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