芸術と革命の国フランスの自動車ブランドといえばルノー、プジョー、そしてシトロエン。なかでもシトロエンは昔からディープなカーマニアに愛されるヘンなブランドでしたが、いつの間にかドイツ車のようなフツーっぽいクルマを作るようになってました! 一部ではマニア度が薄れたという声も聞かれますが、当欄のシトロエン軍団はどう評価するんでしょうか?

MJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
日本人好みのヘンな乗り物シトロエンを買えるシアワセ
永福:SPA!モテないカーマニア軍団のうち、我ら2名は栄えあるシトロエンオーナーである!
担当K:ええ、まあ。
永福:シトロエンは、カーマニアにとって極北のブランドの一つ。誇るべき勲章だな!
K:僕のはわりと新しいモデルなんで、それほどでもないです……。
永福:キミは最後のハイドロ系サスを搭載した栄光のモデル・C5のオーナーじゃないか!
K:最後のハイドロって言葉にひかれて飛びつきましたけど、とってもフツーに安心して乗れるクルマで、マニアックな感じはないですね。乗り心地には癒やされますけど。
永福:オレも以前、C5に惚れて乗ってたが、割合すぐに飽きてしまった。同じシトロエンでも、2世代古いエクザンティアはまったく飽きずに7年も乗ったが、やっぱり最近のシトロエンは割とフツーだな。
K:いま永福さんが乗ってるDS3もフツーですよね。
永福:フツーだけど楽しいぞ。なにしろデザインがいい!
K:僕はDSとかCXとか、古いシトロエンに道で並ばれると、「勇気がなくてこれしか買えなかったんです~!」って、恥ずかしくなります。
永福:昔のシトロエンは、クルマというより「ヘンな乗り物」だ。それは仕方ない。それでもここ数年、シトロエンはデザインで飛ばして、独特の世界を形成しつつある!
K:中身はマニアックじゃないけど、デザインでヘンな乗り物感を打ち出してますね。
永福:いい意味でのヘンさだな。特にC3は一般人にもウケている。

今年100周年を迎えたシトロエン。マニアのヘンな乗り物のイメージは強いですが、一度乗ってみると、カーマニア以外もハマってしまうと思います!
K:どれくらい売れてるんですか?
永福:日本では年間4000台弱。ベンツやBMWの10分の1弱だが、ここ3~4年で2倍近くに増えている。これは天変地異レベルだ。
K:それって日本だけですか?
永福:そんなに伸びているのは世界中で日本だけだよ! 元の台数が少ないとはいえ、アメリカじゃシトロエンなんか売ってないし買えないんだから、我々はシアワセものだ。
K:なんでアメリカでは売ってないんですかね?
永福:ヘンすぎるからじゃないか?
K:それはカーマニアとしてうれしいですね!