デビューアルバム『PINK』が米音楽メディア「ピッチフォーク」の“The Best Rock Albums of 2018”に選出。さらに英の「ガーディアン」では“The Best New Music of 2019”に選ばれるなど、その楽曲は世界中で圧倒的な評価を受ける。コンプレックスをポジティブにとらえ、ありのままに欲求し、人を温かく受け入れるCHAIのバイブスは、最先端のようでプリミティブだ。そんな世界が認めたNEOかわいい4人組が提唱する新しい家族や愛の在り方とは?

CHAIは音楽で革命を起こすの
――ワールドツアーも敢行した’19年、振り返ってどんな一年でしたか。
ユウキ:最初は中国5都市と台湾に行ったよね。お正月から。
ユナ:3月はアメリカを回って、5月からイギリス、ベルギー、オランダ、ドイツ、フランスとか、ワールドツアーでいろんな国に行ったね。
マナ:ヨーロッパ中を車で回ってたから、体がすごい痛かった!
カナ:6月からはジャパンツアーして。とにかくバタバタだったよね。
マナ:あ、2月に2ndアルバムの『PUNK』を出しとった(笑)。

――その『PUNK』が世界的メディアで高評価を受けました。今、CHAIは海外でどんなふうに受け止められているのでしょうか。
マナ:実は私たちピッチフォークを知らなかったんだよね(笑)。でも、世界中の音楽ファンが見るメディアで取り上げられたことで、見られ方が本当に変わった。最初は「アジアから来た珍しいもの」って感じだったけど、「今注目のバンド」として見てもらえるようになった。
ユウキ:世界の音楽シーンの一員になれたのはうれしいよね。
カナ:ただ、ピッチフォークのラジオ番組に出たときに「日本人って全然自分たちで曲を作らないよね」って言われたの。アイドルの印象が強いのか、「歌って踊って終わりだよね」みたいな聞かれ方をして。海外の人たちに日本の音楽はまったく届いてないんだなって、すごい思った。
ユウキ:日本の話題がないよね。海外に行くとSNS広告とかも現地仕様になるじゃん。そうすると韓国のニュースが出てくるんだよ、音楽とか。日本は出てこないし、人からも聞かない。存在感がないの。そのくらい鎖国してるし、それに私たち日本人が気づいてないのもショックだったかな。でも日本に行きたいっていう外国人はたくさんいて、だからなのか私たち、海外ですごい目立つの。「CHAIだよね?」って走ってきて写真撮られるくらい(笑)。
ユナ:海外に出たからこそ、日本の島国感だったり、世界との距離だったりを体感できたのはよかった。
ユウキ:その状況を変えたいよね。CHAIが出ることで変えたい。変わる気がするんだよね。革命だと思ってやってるから。