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“イギリス版トランプ”の実力は本物だった! EU離脱で経済危機に…

離脱開始後には英国経済が危機に…

 さらに、離脱開始後には英国経済が危機に直面する可能性も。 「来年1月にEU離脱を開始するとともに、ボリス政権はEUやアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドとFTA(自由貿易協定)を結んでいく腹づもりですが、6月には“離脱移行期間”を延長するか否か判断しなくてはなりません。ところが、今までEUが各国とのFTA交渉に費やしてきた時間は3~5年。韓国とのFTA締結には実に9年もの月日を費やしました。  英国は半世紀近くもEU加盟国として過ごし、貿易交渉はブリュッセル(EU本部)に任せきりでしたから、交渉できる専門家もいない。それを考えると、離脱移行期間内にFTAをまとめるのは絶望的。かといって、移行期間延長を求めれば、EU加盟国としての負担金が発生してしまい、ボリスを支持した英国民は激怒するでしょう。『そんなお金を払うなら、労働者の生活支援に使え』と。  英国の負担は毎年のEU予算の5%にものぼるので、ドイツやフランスからすれば負担増大の先送りを目的に移行期間の引き延ばしを画策する可能性もあります。FTA交渉は今後の英国の最大の課題なのです」(木村氏)  そのため、英国内では早くも「反ボリスの抗議デモも起きている」(松崎氏)という。保守党圧勝を受けて、英ポンドは対ドルで3%近くも急騰したが、手放しでジョンソン首相がまとめようとしている“合意あり”の離脱を評価しているのはマーケットだけ、ともいえるのだ。果たして連合王国の崩壊を阻止しながら、FTAをまとめ上げることができるのか……? 英国紳士・淑女たちの苦悩はまだまだ続きそうだ。
ボリス圧勝で見えた英国紳士たちの憂鬱

英国では飼い犬同伴の投票が一般的なため、犬が投票所前に溢れたことも話題に

ボリス圧勝とEU離脱が日本に与える影響とは?

 松崎氏によると「在英の自動車産業は、離脱条件次第でEU加盟国への移転などにかかるコストが予想以上に発生し、生産台数減少による収益低下も考えられる」という。木村氏は「安倍首相は以前から『離脱後はTPPに参加してほしい』と要請しており、メイ首相時代は前向きに考えていた。実現すれば日本の存在感が高まる」と分析。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/Bryan Anselm/Redux/アフロ ※投票所の写真はツイッターより> ※週刊SPA!12月17日発売号より
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