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ブスと叩かれた私が、整形で別の顔になるまで。壮絶2か月の全記録/yuzuka

3.手術に8時間。埋没法は地獄だ

整形 埋没法は地獄だった。痛い、不快、痛い。瞼に針が通るたびに激痛、目の中に保護するための板を入れられるのだが、今まで経験したどんなことよりも「不快」だった。  メスで切り込みを入れることから、目頭切開の方が痛そうに思われがちだが、目頭切開に関しては麻酔をしてからは全くの無痛で、時折圧迫感を感じるのみだった。  ただし、麻酔が効いていない箇所にメスが入ったらどうしようという不安から緊張してしまい、たくさん出血した。  上原先生曰く、目頭切開は傷を作るのが表層なのに対し、埋没法は瞼の皮膚の奥にあるケンバンという筋肉に糸を通さねばならず、その筋肉は麻酔が効きにくいのだそうだ。私はそのケンバンに神経が多かったため、激しい痛みを感じたとのこと。アンラッキーペイン。  鼻から下の手術は寝ていたので、痛みはない。「眠くなるからそのままでいてくださいね」の言葉を最後に、全身麻酔で私の意識はなくなったため、私の語れる痛みについての記憶は、埋没法と目頭切開だけだ。  手術時間は大幅に延長して8時間。長時間私の顔面に向き合ってくださった先生やスタッフの皆様にはいくら感謝しても足りない。ちなみに「3時間くらいで終わるよ」と連絡していたのに一向にコンタクトがないことから、私の彼氏は「あいつは死んだ」と自分に言い聞かせて、涙ながらに次の道を歩もうとしていたらしい。笑う。  ここから先の手術の詳細動画についてはビデオに納めているので、YouTubeチャンネルにアップした。

4.術後。鼻にガーゼが詰め込まれている

整形 麻酔医の声かけで目が覚めたら、夜だった。  起きた瞬間は痛み止めもきいていて、呑気にも「よく寝たな」といったような感想だった。私は昔から全身麻酔と相性が良く、術後に吐き気を催したことがない。  しかしそれは私の運が良いだけで、全身麻酔の副作用が強く出る方もたくさんいて、寒気が止まらなかったり、嘔吐して立ち上がれなかったりと、様々だ。  リカバリー室で休みながら、付き添ってくれたマネージャーと今後の流れについて確認する。ふと、「あれ? なんでこんなに苦しいんだ?」とハッとした時に、止血目的で鼻の奥の方まで大量のガーゼを詰め込まれていることに気付く。  もう、これが何よりもツラい。もちろんここから3日間は口呼吸しかできない。そして3日後には多くの整形経験者が語る地獄のガーゼ抜きがある。私はそれらを想像して肩を落とした。  しばらくすると鼻の奥に痛みが出てきて耐えられなくなって、座薬を入れてもらう。目からは麻酔薬と血の混じった涙が止まらない。 整形

【ダウンタイムの経過】タクシーでギョッとされる

 夜も遅いので、タクシーを呼んで最寄りのホテルまで向かう。ホテルの運転手さんのギョッとした顔を忘れられない。そりゃそうだ、この顔だからな。鼻血が後から後から出てきて、装着しているガーゼがすぐにビショビショになる。 整形 正直、直後は息苦さや頭重感があるくらいで、味のしない春雨ヌードルを食べて笑うだけの余裕があった。腫れもそんなに、酷くはない。だが、しかし、地獄はここからはじまる。この記事では省略して淡々と説明していくので、詳細はYouTubeをチェックしてほしい。

【翌日の夜】顔がパンパンに腫れる

整形 手術翌日の夜。顔がパンパンに腫れ、全体的に熱を持っている。皮膚が裂けそうだ。  38度以上の発熱もあった。鼻の骨を無理やり骨折させたようなものなので何も不思議ではないが、ツラい。  加えて鼻の中に詰まったガーゼの圧迫が本当に本当に苦しくて、痛い。顔全体の血流が滞っている感じがする、口呼吸しかできないうえ、ビジネスホテルは部屋が乾燥するので、喉が痛い。  鼻だけではなく、耳介軟骨を摘出した側の耳の穴にも大量のガーゼをつめられているので、水を飲み込もうとすると空気の行き場がなくなり、ダイビングで耳抜きを失敗した時のような激痛に襲われる。心配して電話をかけてきた友達が泣き出す程度には、声も弱々しかった。  そのうえ日本の美容整形外科ではよほどのことがないと入院はしないので、この状態でクリニックまで通院しなければならない。もしも交通事故に遭ってこの状態なら間違いなく入院レベルの怪我だと思う。

【2日目の夜】ブスと呼んだヤツへの恨みが爆発

整形 腫れと痛みのピーク。  術前には外にも出られないわけだし、「ダウンタイム中に仕事終わらせちゃえ」なんて考えていたが、当たり前に不可能。「映画を見て気分転換!」なんてのもよく聞くが、目と鼻を同時に施術すると、コンタクトもメガネもかけられず、視力が低い私はテレビを見ることすらできない。 「横になっているばかりでは腫れがひどくなる」と言われたのと、苦しくてじっとしておくのがツラいので、痛み止めを飲み、ひたすら全裸にアイスパックを貼り付けて、ホテルの部屋の中を歩き回る。この顔ではコンビニにも行けないのに、買っておいた水がなくなってしまい、風呂場の水を汲んできて、飲んだ。これから挑もうとする人は、たくさん水を買っておいてほしい。  鼻からは鼻血が止まらず、眠ろうとしても口呼吸でパニックになり、口の中にも血が流れてきて、5分に1度、眼がさめる。自然に息ができないというのは、想像以上にツラい。  整形をした経緯を思い出し、「どうしてあんな奴らのためにこんなに辛い思いを……」と恨みが爆発する。こんなことなら細々と沖縄で暮らしていたかったと少し後悔をするが、誰かにツラいと言っても「自分で決めたことでしょう」と言われるのが目に見えていたので、堪えた。  だけど自分で選択していても、痛いものは痛い。苦しいものは苦しい。私は全員にカミングアウトをしているから、万が一のときは誰かを頼れるが、整形を隠している子はこの辛さを完全に一人で乗り越えなければならないのかと考えると、胸が痛んだ。
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腫れがぐんぐん引いていく
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