喫煙者離れ対策で商店街との関係が悪化!?
― 禁煙ファッショが日本経済をダメにする!(5) ―
◆条例本格施行後の神奈川飲食店の現状とは?
条例施行から約1年、神奈川県の飲食店はどのような経営状況に陥ったのか。その悲惨な現状を直撃取材する!
◆喫煙者離れ対策で、商店街との関係が悪化!?
100平米超の飲食店舗では、店内を禁煙または分煙することが義務。県内の商店街で喫茶店を営む成田勝治さんの店舗は、まさにその対象になってしまった。
「最初は店内を分煙にしようと思ったんです。でも、今の景気で借金を背負って改装を行うのは難しい。結局、禁煙にしたんですが……」
そこに待ち受けていたのは、3割程度の喫煙客離れ。このままでは経営難に陥ると悟った成田さんは、苦肉の策で新しい食事メニューを考案して原価効率を上げることにしたという。ところが……。
「これまで、仲のいい総菜屋さんや中華屋さんに『一緒に不況を乗り切ろう』と言いながら、お互いの店を行き来していたんです。でも、自分の店で似たような食事を出すようになると、途端に人間関係がギクシャクして……。昔のままでは生き残っていけないのはわかりますけど、今でも迷いながらメニューをつくっていますね」
禁煙条例は経営者同士の人間関係にも深刻な影響を及ぼしている。

老舗喫茶店を経営する成田さん。商店街会長も務めた人物だけに、今の店の状況に複雑な思いが募る

店外にタバコ自販機を設置していることもあり、禁煙店にしてからは喫煙客からのクレームも増えたという
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