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文春砲を受けた黒岩知事が圧勝した理由。「神奈川ならではの事情」が背景に

4月9日、各地で統一地方選が投開票されました。統一地方選は大規模な選挙になるため、今春は前半戦が4月9日、後半戦が4月23日に投開票と2回に分けて実施されます。 神奈川県は、4月9日の前半戦に知事選が投開票されました。神奈川県知事選の選挙期間中に『週刊文春』が黒岩祐治候補の女性スキャンダルを報道。これに注目が集まりましたが、黒岩候補は知事選を圧勝しています。 女性スキャンダルが致命傷にならなかった理由は、何でしょうか? そこには神奈川県という地域の特異性も関係がありそうです。首相官邸・永田町取材歴15年のフリーランスライター・カメラマンの小川裕夫が神奈川県知事選について解説します。
黒岩祐治氏

元アナウンサーという知名度を売りにして神奈川県知事に当選した黒岩祐治氏。今回の選挙は圧勝で4選

選挙期間中のスキャンダル報道はレア

4月9日に投開票された神奈川県知事選は、4選を目指した現職の黒岩祐治候補が当選しました。選挙期間中、文春砲でお馴染みの『週刊文春』が黒岩候補の女性スキャンダルを報道。黒岩候補は発売日に記者会見を開き、報道を認めるとともに釈明に追われました。記者会見以降、黒岩候補は不特定多数の有権者と接する街頭演説を避けてリモート対話集会や選挙カーを走らせるだけの遊説に終始。 政治家が女性スキャンダルを週刊誌に報道されることは珍しくありませんが、それが選挙期間中に出回ることはレアケースといえます。女性スキャンダルによって黒岩候補のイメージ低下は避けられず、選挙情勢にも影響を及ぼす可能性が大きいからです。

結局、選挙戦からは撤退せず

候補者の金銭や異性関係のスキャンダルは、有権者が知りたいと思う判断材料のひとつです。本来なら、そうした情報は選挙期間中にこそ報道されるべきですが、それが一般化してしまうと、立候補者や関係者たちによるネガティブキャンペーン合戦になってしまう恐れもあります。 それは建設的な政策論争に結びつかないことから、これまで選挙期間中のスキャンダル報道は控えることが暗黙の了解になっていました。 女性スキャンダルにより、黒岩候補は大きな痛手を負いました。それでも、黒岩候補は選挙戦から撤退しませんでした。選挙を勝てるとの手応えを感じていたからでしょう。
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政令指定都市が3市あるのは神奈川だけ
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フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro

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