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リアル『下町ロケット』? 世界初「木のストロー」を実現させた女性社員の情熱

 最近、よく耳にするSDGs(エスディージーズ)という言葉。国連が提唱する、2030年までに人類が達成すべき17の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略だ。  日本でもメディアが特集を組んだり、企業や地方自治体がさまざまなSDGsへの取り組みを掲げている。でも、実のところよくわからない、という人も多いのではないだろうか。

「木のストロー」の開発秘話が「下町ロケット」のよう

 そんな中、はからずもSDGsの推進に貢献することになった「木のストロー」をご存じだろうか。
木のストローと西口彩乃さん

木のストローと、開発した西口彩乃さん

 開発したのは、アキュラホームという住宅会社。中心になったのは同社の若き広報担当・西口彩乃さんだ。西口さんが著書『木のストロー』で明かした開発秘話は、まるで「下町ロケット」のようだ。  なぜ住宅会社がストローを?と思うだろうが、きっかけは2018年、西口さんに旧知である環境ジャーナリストの竹田有里さんからかかってきた一本の電話だったと、西口さんは話す。  「木のストローをつくれないか」という相談だった。  竹田さんは、同年7月に発生した西日本豪雨の現場を取材し、土砂災害が拡大した原因の一つが間伐など適切な森林管理がされていなかったことだと知った。また、ちょうどそのころ、海洋プラスチックごみ問題からプラスチックストローの廃止が話題になっていた。  そこで、間伐材を再利用した木のストローを思いつき、木造注文住宅を手掛けるアキュラホームの西口さんに電話したのである。  アキュラホームの宮沢俊哉社長は元大工で、カンナ社長として知られている。  また当時、間伐材を使った木のストローというものは存在せず、完成すればちょっとしたニュースになるだろうとも思われた。  「最初は、住宅会社でストローを作るということに、あまりピンときていなかった」と西口さん。  ただ、「お世話になっているジャーナリストの方に、何もせずできないとは言いたくない」という一心から、ストロー作りの模索が始まった。

「うちはストロー会社じゃない」と反対された

 社内で、開発のゴーサインを得るのは簡単ではなかった。  当然ながら、「うちはストロー会社じゃない」と反対された。それでも、何度も企画書を書き直し、ようやく「開発だけならOK」という条件付きの許可を得た。  とはいえ、これまで誰も、木のストローなど作ったことはない。間伐材をどうすれば、ストローの形にできるのか。  「答え」がない中、西口さんは社内や社外のいろいろな知恵を借り、広報の仕事のあと、毎日実験を繰り返した。発案者の竹田さんも材料の調達や販路の開拓に奔走し、「ド素人」女子二人の試行錯誤が続いた。
木のストロー製造現場

木のストロー製造現場

 最初の転機は、製造会社が見つかったこと、次の転機はザ・キャピトルホテル東急が、導入先として開発に協力してくださることになったことだと、西口さんは振り返る。  どちらもまだ先の見えない段階で、協力を申し出てくれた。  こうして、「薄くスライスした木材を斜めに巻く」という手法にたどり着き、「木のストロー」が誕生することとなる。

記者発表の直前に、ストローから油が

 ところが、である。  いよいよ記者発表というとき、木のストローから油が浮いてくるという問題が発生した。   あわや記者発表中止という絶対絶命のピンチをなんとか乗り超え、ようやく「世界初」の木のストローがお披露目されたのは、2018年12月のことだった。  当初の目的を果たした西口さんは、これで肩の荷を下ろせるはずだった……、のだが、そこから木のストローは、さらなる展開をしていくことになる。
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問い合わせ殺到、ついにG20で採用される
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木のストロー

「住宅会社がストローをつくってどうするんだ!」間伐材再利用と廃プラ問題解決のため、ど素人の住宅会社広報担当が「木のストロー」制作に立ち上がった。社内の反発、失敗続きの試作品、記者会見直前の大トラブル…。まるで「下町ロケット」のような開発実話!2019年G20で採用。地球環境大賞農林水産大臣賞受賞。
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