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血液型占いは根拠がないのになぜ根強いのか? 占い師に尋ねてみた

 日本人にとって最もポピュラーな占いの1つ、“血液型占い”。A型は「真面目」、B型は「マイペース」、O型は「大雑把」、AB型は「変わり者」など、血液型によって性格や運勢がわかるというもの。ただ、科学的な根拠はまったくない。なぜ血液型で毎日の運勢がわかるのか? と疑問に思う人もいるだろう。 血液型 実際、年始にテレビで放送された血液型と星座を掛け合わせた占い結果と、数日後に別の番組で放送された占い結果がまったく違うと話題になったことも。そこで、現代の占い師がなぜまだ血液型で人を判断しようとしているのか、その根拠を占い師の四つ薔さんに話を伺った。

血液型占いはシンプルで覚えやすいから爆発的に広まった

――そもそも血液型占いはどうして日本でこれほど浸透しているのでしょうか? 「血液型占いの起源は、『血液型が気質に影響する』という戦前の研究が起源だと言われています。その研究はその後に否定されてしまうのですが、1970~1980年代になって占いブームが起こって血液型占いが再注目されたのです。さらに血液型には4タイプしかなく、非常にシンプルで覚えやすいために爆発的に広まっていきました。  たしかに、四柱推命や手相などの占いのほうが細かく分類分けされていて正確性や信ぴょう性が高い。ですが、複雑すぎて覚えるのが難しいのです。そのためシンプルで覚えやすい血液型占いは、分析好きな日本人に根付いていきました」 ――そのシンプルさゆえに、結果が変化しやすいのでしょうか? 「そのとおりです。血液型占いでは4タイプのみですし、たとえ星座と掛け合わせたとしても48タイプしかありません。そのため日によって結果が大きく異なってしまうこともあります」

血液型占い×暦の読み解きがスタンダード?

――なぜ血液型占いで毎日の運勢が占えるのでしょうか? どういう筋道でその判断をしてるのかを教えてください。 「2020年が“庚の子年”(ネズミ年のこと)のように、日にちでも“庚の子の日”というのがあります。暦でいうところの“大安”や“友引”のようなものです。例えば、占いたい日が“庚の子の日”だとすると、その日は『世の中の流れが評価されたい星』と『マメに動き回るネズミ』のふたつを意味しています。その日はA型の特徴に当てはまるのでA型には良い日と判断でき、反対にマイペースなB型にはに好ましくない日になりやすいと判断されます」 ――「今日のA型は60点」「B型は90点」という結果を発表する占いも過去にはありましたが、どうやって点数をつけているのですか? 「点数に関しては、先ほどの暦からの読み解きかたもあれば、占術者によっては、タロットと組み合わせたり、得意な占いと組み合わせて結果を出したりもしています。今日のA型はタロットではどんなカードがでたのか? それにより点数化していきます」 ――それでは、これらの診断に根拠はあるのでしょうか? 「正直なところ血液型と性格の関係性は、科学的には証明されていないかもしれません。しかし、もし当てはまっていなかったとしても血液型占いをはじめ、占い自体は自分の性質を鑑みることにつながるので、『これからどういった生き方をすればいいのか』『仕事においてもどういった選択をすればいいのか』という“道しるべ”だとして、診断結果をとらえるほうがいいでしょう。自分がいまいる現在地や、何者であるのかを知ることで、さらに自己分析が深まり今後の人生を豊かにすることができるでしょう」 ――ちなみに、血液型占いは日本や韓国、台湾などでしか流行ってないと聞きましたが本当ですか? 「それは本当です。日本では一般的な占いですが、ヨーロッパなどではあまりポピュラーなものではありません。というのもヨーロッパはO型とA型が多くてあまりB型とAB型がいないので分類分けが困難です。また、南米ですとO型が90パーセント近くいるともいわれています。  これは私の考えですが、日本人は“おもてなし”を大切にして、他人に気を遣う民族であるというのも血液型占いが流行っている理由のひとつ。『この人はどんな性格なんだろうか』『どういう風な接し方をすればいいのか』などを気にしているので、血液型占いのような性格判断ツールが必要になってくるのです」
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日本人は“キャラづけ”したい人たち?
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