更新日:2023年05月23日 17:00
恋愛・結婚

「夫の給料=お小遣い」の妻。熟年離婚ですべてを奪い尽くす…

進学費用の使いこみ、最後は財産すべてを現金化

 まさに、夫のお金はすべて自分のものという斎藤さんのお母さん。しかし、斎藤さんが高校生の時に、別の男性のもとに出ていってしまったそう。 「専業主婦だった母は、給料が入金される通帳を持って行ってしまい、僕と父は一時的に貧困生活に陥りました。家に現金がなかったため、3パック100円の納豆で1日済ませることも。なんとか母に帰ってきてもらい、生活費の負担をして貰ったんですが、大学進学のための資金も使い込まれていることが判明しました」  そんな自由奔放な斎藤さんの母だが「私は奥さんだ」と主張し、父が定年退職するまで籍を抜かなかったそう。
離婚調停イメージ

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「僕は何度も離婚を勧めたのですが、父が母方の家の苗字に改姓していたのもあり、仕事に影響するのが嫌だったようです。20年近く完全別居していたのですが、去年やっと協議離婚が成立しました」  一人っ子だった斎藤さんには、父が母に財産分与したマンション1戸と、祖母が亡くなった時に母が相続した不動産の数々の相続権利があったそうだが。 「父にその話をしたら『あいつが残しているわけがない』って言うんです。そこで、気になって登記を調べたら、すべて数年前に売却済みでした。ここまで何もないと、すっきりしますね」  なぜだかすがすがしい表情で語る斎藤さん。しかし、定年退職まで勤め上げた父は、年金収入だけで、貯金もわずかしか残っていないという。 「父は母と結婚したばかりに、自分の車も家も持たず、同じ服を着たまま。靴も1000円の靴をボロボロになるまで履いています。400g200円の安いインスタントコーヒーの豆すらも『贅沢かな』と言うんです。そういうの見てたら、結婚なんてしたくないって思いますよ」  まさに、身近に凄い女性がいたために、女性不振に陥ってしまったケースと言える。<取材・文/池守りぜね>
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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