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合法大麻CBDが大人気の謎。そもそもCBDって何?

大麻由来成分CBDの愛用者が急増中!

 CBDと呼ばれる大麻由来の成分が、リラックス効果があると人気を集めている。大麻なのになぜ合法なのか体験者と専門家に聞いた。 合法大麻はなぜ人気なのか?

女性や格闘家も愛用するCBDって何だ?

 CBDと呼ばれる大麻由来の成分が、ネット通販だけでなく、百貨店のオーガニックショップなど、一般の小売店でも売られるようになり、裾野を広げている。  CBDは、正式名称をカンナビジオールといい、大麻草特有の成分のひとつだ。大麻といえば人間を「ハイ」な状態に導く成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)が有名。  THCは麻薬及び向精神薬取締法で麻薬指定されているため漏れなく違法となるが、CBDにはハイになる精神作用はなく、ただちに法に触れることはない。  近年は北米を中心に医薬品としての価値が見いだされているほか、健康食品やサプリメントとして流行。それが日本にも伝播しつつあるというわけだ。
合法大麻はなぜ人気なのか?

CBDを専門に扱うショップも欧米では増えており、人気に。写真はドイツのカフェ

リラックス効果はあらゆる層から支持

 とはいえ小さい頃から「ダメ! 絶対!」と聞かされて育った日本人にとって、大麻と聞けば腰が引ける人が多数派だろう。そこで、いち早く取り入れている人たちに実際の使用感を聞いてみた。学生時代に大麻使用の経験がある東京都の会社員・青田昌夫さん(仮名・43歳)は、ネットで偶然発見した麻のマークに懐かしさを覚え、軽い気持ちで購入したそうだ。  仕事で疲れた日は、CBDのヴェイプ(電子タバコ)を吸引したり、オイルを摂っているという青田さん。その効果のほどは……。 「オイルを口に含み数分たつと、心地よい脱力感に包まれ、腰痛や首の痛みも心なしか和らぎます。いわゆる本物のハッパを吸ったときのような『キマる』感覚や多幸感はないけれど、フラフラにならない程度のちょうどいいリラックス効果が気に入っています」  今では、週に数回、夜の癒やしのひとときを青田さんは楽しんでいるという。
合法大麻はなぜ人気なのか?

リラックス効果があると人気を集めている、大麻由来の成分「CBD」

 一方、健康上の問題から試す人もいる。神奈川県在住の税理士・高岡真耶さん(仮名・39歳)は、長年睡眠障害に悩まされ、医師処方の睡眠薬を服用していた。だが、そんな毎日に負担を感じていたところに、安眠効果を得られるというCBDの存在を知り、試してみたという。 「百貨店で見かけてからずっと気になっていたんです。大麻ということで抵抗はありましたが、麻の実を搾ったヘンプオイルベースの化粧品は一般的だし大丈夫だろうと思い、ネット通販で購入しました。私はタバコを吸わないので、電子タバコではなくオイル派。CBDオイルを飲んで目を閉じていたら、いつの間にかリラックスしている自分に気がつきました」  高岡さんは眠りが浅く、夜中に一度起きると朝まで寝つけないという睡眠障害に悩まされてきた。初めてCBDを使った夜は「睡眠薬を飲まなくても眠れそう」と感じ、そのまま床についたところ、朝まで熟睡できたという。 「眠れないときに睡眠薬やお酒に頼るのは、体によくないという罪悪感がつきまといますが、CBDは私にとってアロマの延長線上にあるもの。睡眠障害に悩んでいる人は、試す価値はあると思います」  また、健康上の悩みとは無縁そうな人たちにもCBDは流行しているようだ。千葉県の会社員・澤野準太さん(仮名・36歳)は通っている格闘技ジムの仲間からCBDを勧められた。 「最初はヤバいクスリかと思ったんですけど、ジム仲間に勧められて試してみたら、トレーニング中は体が軽く感じられ、疲労感が残りにくい実感があるんです。だから、追い込んだトレーニングを長時間できるんですよ。サプリメント情報に敏感な格闘技界隈でも、CBDは評判がいいですね。僕はオイルを飲んでから集中的に練習するようにしています」  都内某所の電子タバコ店店主も、CBD熱の高まりを感じている。 「昨年あたりからCBDの問い合わせは増えています。CBDのリキッドは普通の電子タバコのリキッドの10倍近くする高価なものですが、CBDを求めるお客さんのほうが多いくらいです。手軽に吸いたいならリキッド、手間はかかるけど高濃度のワックスなど、幅広い商品が流通しています」  女性の客も多く、なかには1瓶8000円以上もするCBD入りグミを10本単位でまとめ買いする客もいるという。CBDの一大マーケットが出現しつつあるのだ。
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CBDを抽出する部位によっては違法
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