今年でデビュー30周年! 3人が今だから回顧できる「スチャダラ30年事件簿」
スチャダラパー
平成元年にデビューしたスチャダラパーが、今年5月でデビュー30周年を迎える。若者に「ラップができるとモテそう」と大いなる希望を与え、ゲームやコミック、レコード収集に没頭する、サブカルなオトナの存在意義にも大きく貢献してきた彼ら。「日本のヒップホップ史=彼らの歩み」とも言える3人がキャリアを振り返った。
――周年は「これまで」を振り返るキッカケにもなると思いますが、最も印象深かった出来事は何ですか?
シンコ:んー、やっぱり電スチャ(電気グルーヴ×スチャダラパー/’05年に実現したコラボレーション)かなあ。僕は「人生」の頃から(石野)卓球さんのファンだったから、まさか一緒に音楽を作れるなんて思ってなかったし。
ボーズ:時間もたっぷりもらって、がっつり作れたしね。そりゃもう卓球に辟易するぐらい(笑)。本当にずっとあのテンションなんだから。超人だよ。
――トラックメーカーが2人いると、制作過程はどんな感じでしたか。
シンコ:一緒にスタジオに入って、ホントにその場で作っていった感じなんですけどね、お互いのバランスを半々ずつで見ながらっていうか。
ボーズ:卓球がバンバン作業してる横で、僕とシンコが「こういうのはどうかな?」って同時にアイデアを出していって、で、(ピエール)瀧とアニは隅のほうで遊んでるっていう状態がずーっと続いてた。ときには寝てたり(笑)。
――自由すぎますね(笑)。ではアニさんが挙げる30年のトピックスは?
アニ:『ドコンパクトディスク』(’00年)というアルバムをNYでレコーディングしたのは楽しかったなあ。10周年のお祝いだったんですけど、ビースティー・ボーイズのアドロックとデ・ラ・ソウルのトゥルゴイと一緒にレコーディングして。
――東海岸のヒップホップを代表する2大スターと、しかも地元NYで。
アニ:ほんと、時代的にもまだ余裕があった感じがするよね。
――30年の間に電気グルーヴ、小沢健二さん、加山雄三さん、エゴラッピン……とコラボレートもさかんでした。
ボーズ:ニューアルバムではライムスターとも初共演だね。年齢を重ねてコラボみたいなこともやりやすくなったのかな、今回は30周年でご褒美的なところもあるし。でもそんなこと言ったら、デビューしてすぐの頃、谷啓さんに来てもらってるしね。あれは衝撃的だったなあ。あと、キョンキョン(小泉今日子)にも来てもらってるもんね。
アニ:あれこそご褒美的な(笑)。
『
シン・スチャダラ大作戦』
エゴラッピンやライスムターとのコラボ作品も収めた計13曲。「ここ3年ぐらいのあれこれが詰まってる」(ボーズ)。ジャケットと特典のCDは3種類。スペースシャワーより発売中/3300円