イエモン再集結から3年ーー。19年ぶりの新アルバムに込めた想いとは?
彼らほど復活を渇望されたバンドはいないだろう。再集結から3年。ついにイエローモンキーが新アルバムをリリースする。知られざる再集結秘話、そして解散している間にメンバーたちが抱き続けた思いとは? また、大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』を彼らはどのように見たのか? メンバー全員が50代に突入した今、4人の“本音”に迫った――。
――19年ぶりのアルバム完成、おめでとうございます。シングルで新作を発表しつつ、再集結から3年かけての完成となりました。今回はLAレコーディングを決行されましたね。
吉井和哉(以下、吉井):バンドでは初のLAでのレコーディングでした。煮詰まり感もなく、3週間ぐらいで6曲を録って。
菊地英昭(以下、エマ):今回、エンジニアのケニー(タカハシ)の力もすごかったですね。専門的な話になるけど、ギターやベースもアンプで歪ませるんじゃなく、PA卓で歪ませる’50~’60年代の録り方に近くて。
吉井:そのヴィンテージの音を鳴らすケニーは我々より年下なんだけど、デンジャー・マウスとかヒップホップ系の人たちとも仕事をしてて、ただ古いだけの音ではないんですよ。そこがすごく重要で、旬の音を知ってるエンジニアのフィルターを通して、いまイエローモンキーが出すべき音を再認識させてくれたという。
――再集結されたときも、回顧主義ではなく、新しいイエローモンキーを見せていきたいと話していました。
吉井:そうですね。ただ、新しさって聴いて感じてもらうことだからなかなか難しいけど、ボタンをかけ違えていないというか、歯車がきちんと噛み合った状態というのが大切な気がしますね。
――解散以降、各自がソロ活動やセッションで蓄えた力を持ち寄ってバンドに戻ったのも大きいのでは?
吉井:ですね。再集結してからの3年でプレイの内容を含め、みんなでいろんなことも整理したし。だから、LAには最後の試験、卒検に行ったような感じもあります。
――全国ツアーを開催して、各地のファンが待っていてくれたという手応えもありましたか?
廣瀬洋一(以下、ヒーセ):再集結はまずアリーナツアーをやりましょうというところから始まって、でもその時点では新しい曲が1曲(ALRIGHT)のみだった。とにかくツアーをやりきろうってことになって、その中で新しいイエローモンキーってなんだろう? っていう自問もしつつ……。その間にバンドのスキルも上がったし、それぞれの思いや絆も固まって「ああ、いいアルバムができるぞ」っていう確信が生まれましたね。LAレコーディングも含めて、アルバム自体が再始動後の3年間のドキュメントだから。
エマ:初回盤にDVDが付いてて10曲ライブ映像が入っているんですけど、再集結した’16年5月のライブから時系列に収めてあるんですよ。自分でもそれを観て、「ああ、やってきたことは間違いじゃなかった」と思いましたね。
菊地英二(以下、アニー):確かにこんな年を重ねた連中でも、たった2年間でバンドはこんなに成長するんだって思えた。バンドがひとつの塊になっていく様っていうのが、そのDVDでよくわかるんですよ。
このアルバムは3年間のドキュメント
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