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コロナ疎開に対する地元民の本音、都内在住の娘に「帰ってくるな」

「実家には帰ってこないで!」と言った両親の本音

娘 一方、故郷に帰りたくても帰れない現状をうったえるのは、東京都で自営業を営む山田優さん(仮名・30代)。緊急事態宣言が出され、外出自粛が呼びかけられるなか、仕事は窮地に陥った。そんななか、実家の両親に相談してみたところ、衝撃の言葉が返ってきた。 「両親から『実家には帰って来ないで!』って言われました」(山田さん、以下同)  その真意とは何だったのだろうか。 「田舎はご近所さん同士が密接な関係で繋がっているから、皆がシビアになっている状況とのことで。都会から娘が帰省してきた事実だけで、白い目で見られてしまうんです」  山田さんの地元は、高齢者が多く住んでおり、もしも感染してしまったら亡くなるリスクが高すぎると地元民はピリピリしているのだ。 「確かに、私が保菌者だったらと考えてしまう。症状が出ていないだけで保菌者かもしれない。そう思うと帰るべきではないですよね。親に会えないのは寂しいけど、今は我慢してお互いのことを考えるべきだと、親の優しさにも感謝しています」  自分の娘が感染源にならないように、あえて「帰って来ないで」と言った親心も理解できる。もうすぐゴールデンウィークを迎えるが、今はお互いに我慢しなければならない時期なのだ。

早く日常に戻るため「今は我慢するときだ」

 個人商店を営む堀内圭さん(仮名・40代)は、観光客向けに土産物などを販売していたが、三密を避けるように要請が出てからは休業状態に入った。 「私のお店は規模が小さいこともあり、コロナ感染拡大防止という観点からは商売にならなくても致し方ないと思っています。個人営業の売店は、団体客がメインということもあり、4月上旬辺りから店を閉めています」  堀内さんは「早く日常に戻るため、今は我慢するときだ」と言いつつも「経営者としてはそう簡単には受け入れられないですよね」と本音も漏らした。  政府はコロナウイルス拡散拡大防止のため、ゴールデンウィークの外出自粛を呼びかけている。この期間が勝負のときなのだ。家の中にずっといることはツラいかもしれない。しかし、観光地へ行くことはコロナが収束してからでもできること。  いまコロナ疎開することは避けてほしい。観光地出身で現在は東京在住の筆者はそう思う。<取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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