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あるごめとりい、TBSを2年で退社したユーチューバーの正体

 西江健司とダークネス星からの使者“闇病み子”と斉藤正直によるYouTubeチャンネルを主宰する、あるごめとりい。「ダークウェブの闇サイト」や「意味が分かると怖い写真」「絶対に検索してはいけない」といった都市伝説や恐怖系の動画を中心に、登録者数22万人を誇る彼らだが、実はともに入社したTBSテレビをたった2年で退社。昨年、SNSマーケティングを中心としたクリエーティブカンパニーを起業したばかり。異色の経歴を持つ新進気鋭のクリエーターの正体に迫った。
あるごめとりい

あるごめとりい “闇病み子”斉藤正道(左)と西江健司

若手クリエーターがTBSを2年で退社し動画を撮り始めた理由

――テレビ局といえば高給ですし、多くの人にとって憧れだと思うのですが、なぜ辞めようと思ったのですか? 西江:もともと僕と斉藤は同期入社でお互いバラエティとドラマ制作をしてたんです。会社員生活の中で誰にも左右されずに自身の発想を試す思考実験の場として、会社に内緒でYouTubeで動画投稿をしていました。演出って多人数が関わると企画が丸くなるんですがYouTubeはそれがない。 斉藤:テレビって今でもコンテンツのトップ・オブ・トップだし、テレビ局に所属しているだけで最先端のことが学べるという満足感は確かにありました。でも、ふと外の世界を見ると、YouTubeが台頭してきていた。ネット上の自由な海で挑戦したかった。 ――退職を告げたときの上司や周囲のリアクションは? 西江:めっちゃ止められました(笑)。 斉藤:会社としても高いお金をかけて僕らに投資してくれたようなものですし、最初は「生きていけるのか?」ってめちゃくちゃ心配されましたけど。 西江:最終的には僕らの意思を尊重していただいた局には感謝していますし、辞めたからには結果を出したかった。 ――ひと昔前だと組織のなかで我慢してチャンスを待つ、というのが会社員のセオリーだったと思うのですが。 西江:今の社会においては、やりたいことがやれるまでのサイクルって、年々加速度的に早まっている。 斉藤:会社では実力ではなく年功序列での評価をされる事がまだまだ多い。そういった場所で戦うより、最初は小さくても自分の旗を掲げたかった。 あるごめとりい――金銭面での不安はありましたか。 西江:もちろんです。退社直後はチャンネル登録者数も3000人程度だったので、貯金を取り崩して暮らしてました。おまけに2人ともプログラミングスクールに通っていたので、しばらく収入ゼロで絶対絶命でした。今はようやく軌道に乗ってきたので、純粋にあるごめとりいの売り上げだけでも局員時代の収入は超えます。
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YouTubeによって起きたエンタメの民主化
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