エンタメ

あるごめとりい、TBSを2年で退社したユーチューバーの正体

YouTubeによって起きたエンタメの民主化

――投稿動画は最初から都市伝説モノ一本だったんですか? 西江:いいえ、最初は完全に手探りでした。今思うとヤバいですが、斉藤くんが路上で歌ったら何人集まるかとか、「終電を逃した女性は本当にヒマなのか検証する」と言って声かけたり(笑)。ある日、そのなかの「ミステリーボックス」という動画がハネて。もともと僕がホラーや都市伝説が好きだったこともあり、一本化したんです。
――あるごめとりいの動画は他と違い、ナレーションや画像素材をふんだんに使い、まるでテレビ番組のような印象を受けます。 西江:そこは自分たちも意識していて、テロップとオープニングとエンディングという視覚的なものは、すべてテレビと同等の工程とレベルで仕上げ、会話やナレーションはYouTubeのテンポで作っています。 ――海外の映像素材は高価なのでは? 西江:いや、それが意外と年間契約で10万円以下なんですよ。テレビ番組を制作していたときは、つど素材を購入しているので高くつきましたが。最終的にはYouTubeとテレビのハイブリッドを完成させるのが目標ですが、いつかテレビ番組も作りたいですね。 ――新型コロナウイルスの影響を受けてか、今年に入って芸能人の動画コンテンツへの参入が目立ちます。 西江:YouTubeのおかげでエンタメの民主化が起こりましたよね。たとえ芸能人でも真摯にコンテンツに向き合わないと結果が出ないし、逆に素人でも面白ければ結果を残せる。それってシビアだけど極めて平等ですよね。 ――クリエーターおよび経営者としての今後の目標を教えてください。 西江:1年後には、あるごめとりいのチャンネルを登録者50万人にしたいです。アニメチャンネルも自社で作っているのですが、YouTube発のIPコンテンツを生み出して、ゲームやグッズで収益化できるところまで成長させたいです。また、TOB向けのあるサービスも開発予定です。本気で上場を目指しているので、今は目先の生活のクオリティではなく、事業にどんどん投資して全然贅沢してません。自炊して、シェアハウスに住んで週7で働いています。でも、前に進んでいるときや、会社の売り上げが上がっているときに、生きているなと実感しているので僕は独立して本当に良かったと思っています。 ――最後に、新時代になかなか価値観をアップデートできない40代・50代にアドバイスをお願いします。 斉藤:まだ20代の僕でもそうなんですが、まずは勇気を持って下の人の意見を聞いて、意思決定もとりあえず若い人に任せてみてほしい。「今までの経験」で押されると、新しいアイデアもつぶれてしまいますので。 あるごめとりい【あるごめとりい】 西江健司’92年、東京都生まれ。早稲田大学卒。斉藤正道’93年、福岡県生まれ。東京大学卒。ともに’17年3月、TBSテレビ入社。’19年、ともに同社を退社しpamxy(パンクシー)を創業。YouTubeチャンネル「あるごめとりい」「ナイツ塙の自由時間」「メンタルマフィア」など数々の人気チャンネルを手がけるクリエーターでもある <取材・文/中村裕一 撮影/我妻慶一>
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter
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