更新日:2020年08月04日 18:05
エンタメ

TBS火曜10時枠ドラマが現代人の心のオアシス的存在なワケ

『私の家政夫ナギサさん』:“完璧じゃなくて良い”現代人の心に刺さるドラマ

 次は、冒頭でも触れた、現在放送中の人気ドラマ『私の家政夫ナギサさん』だ。本作は、仕事は完璧でそつなくこなすものの、プライベートには無頓着で汚部屋に住んでいる、多部未華子演じる主人公・相原メイの前に、“ナギサさん”という愛称の、大森南朋演じるおじさん家政婦・鴫野ナギサが現れ、メイのとっ散らかった部屋と心をきれいにしていく、という筋書きだ。
 家事がテーマなこと、そして主人公メイにレッテルや責任感といった“呪い”が存在していることなど、どこか“逃げ恥”に通ずるものがある本作。メイが感じている呪いとは、“お母さんになりたいなんて、くだらないこと言わないで”“仕事のできる女性になって”という母からの言葉だ。  このドラマでは家政婦のナギサさんが、こうした呪いを取り払ってくれる場面が多く描写されている。ナギサさんがメイに“完璧じゃなくて良い”と諭す場面は、多くの視聴者は多くの視聴者を癒していることだろう。メイが呪いから解放され、視野を広げていくことはできるのか……物語の今後の展開に期待が集まっている。

TBS火曜10時枠ドラマは、物語を盛り上げる主題歌も魅力的!!

 TBS火曜10時枠ドラマは主題歌が魅力的なことも話題になった。“逃げ恥”で星野源が歌った主題歌の『恋』は、エンディングで流れる“恋ダンス”と共に社会現象となった。さらに『カルテット』では、松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平という主役4人が主題歌を歌うなど、ありきたりなドラマにはない演出が印象的だった。
『私の家政夫ナギサさん』に関しても、あいみょんが歌う主題歌『裸の心』が劇中の印象的な場面で流れ、ドラマの人気要素の一つとなっているうえ、歌詞も主人公メイの気持ちに寄り添うようなものとなっており、ドラマを深く味わえる工夫が施されている。  ――TBS火曜10時枠の人気ドラマには、現代社会のレッテルや決まり事などの重荷をそっと下ろしてくれるような、優しさがあるのではないだろうか。これからも疲れに寄り添ってくれるような名作を生み出していって欲しい限りだ。<文/OIK志野(A4studio)>
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