東京・大久保にある「大衆酒場まゆ」。店長のグラビアタレント、河原まゆは幼いころから競馬に親しむウマジョにして、現在は競馬タレントとして活躍中でもある。ラジオ番組なども持ち、競馬の仕事も増え始めた彼女だがさらなる高みを目指すためには何が必要なのか。そんな彼女にアドバイスするべく、競馬界で活躍するゲストが「大衆酒場まゆ」に集い、アドバイスをする連載も……新型コロナウイルスによる自粛のため今回はゲストの待つ場所へ出張した後編。スターホース2の開発にも携わり、現在はMJの開発者である髙畑大輔氏の実家は名門・グランド牧場でお父上は場長を務めていた。麻雀ゲーム「MJ」の開発を手掛けながら麻雀Mリーグのセガサミーフェニックスで監督を務めている“筋金入り”の方なのである。前編に続きセガサミーホールディングス社内にある麻雀ルームでウマジョに必要な要素を聞いた。
河原まゆ(以下、まゆ):髙畑さんが所属しているSEGAといえば里見治会長の「サトノ軍団」が有名ですね。
髙畑大輔(以下、髙畑):そうですね、実家が勤めていたグランド牧場の馬も里見会長に買ってもらっていたりもします。社員の実家の馬を会長が買うって変な感じですよね。
まゆ:髙畑さんから「ウチの馬買ってください」とか売り込んだりされたのですか?
髙畑:いやいや、会長と直接連絡しあったりしてたわけではなかったんですが、突然知らない番号から電話がかかってきて、出てみたらなんと会長の秘書からだった(笑)。「お前んとこの馬見せてくれ」って内容だったんですよ。
まゆ:いきなりだったんですね……
髙畑:なので有給を取って5月くらいかな、実家に帰って会長と一緒に馬を見ましたよ。その最初の馬がサトノユニコーンでしたが、ダートでコツコツ走ってくれて……貢献できてよかったとホッとしましたよ。
まゆ:会長に馬を勧めるってプレッシャー大きいですよね……。でも、結果が出てよかったんじゃないでしょうか。
髙畑:競馬場でもお目に掛かってましたから。会長は群馬出身で新潟の馬主会に所属しているのですが、グランドは札幌・函館・東京に所属しているので他場になる。でも、東京とか中山で他場なのに里見会長やトップ馬主さんにお会いしちゃうんですよね(笑)。
左・セガサミーフェニックス監督 髙畑大輔氏、右・河原まゆ
突然知らない番号からの電話……出てみたら里見会長!?
まゆ:里見会長を含めトップ馬主さんたちと競馬場でお会いする機会はもとからあったわけですね。競馬関係者の近くに居るって大事なのかもしれないなあ。さらに結果として取引にもつながったわけですし。
髙畑:おかげさまで、里見会長セレクトセールにグランド牧場から出した馬を買っていただいたりもして良好な取引をさせていただいてます。
まゆ:セレクトセールで買ってもらえるかどうかは牧場にとってはドキドキなんでしょうね。高く売れてほしいでしょうし……
髙畑:やっぱり金額に注目しますよね。グランド牧場の場合はダート血統の馬が多いですが、幅広いラインナップが特徴ですよね。
まゆ:髙畑さん、馬券のほうはどうなんでしょうか? やっぱり実家の馬は気になって買ってしまうんでしょうか。
髙畑:気になるってもんじゃないですね、ほぼ応援馬券を買っています。今はコロナの影響でなかなか紙の馬券を買いづらい状況ですけど、これ、小ネタなんですけど見てくださいよ。(雀卓に広げられる馬券の数々)これ、全部グランド牧場生産馬の単勝馬券なんです。
単勝馬券はすべてグランド牧場ゆかりの馬たちばかり
まゆ:すっごーい!
髙畑:全部グランドの生産馬がレースに出たときに、自分の勝負の馬券とは別に必ず100円の単勝馬券を買って、当たっても外れても全部保存しているんですよ。
まゆ:当たってるのに払い戻していないのもあるわけですね。
髙畑:ハズれてるほうが多いんですけどね(苦笑)。売ってるところの名前も入ってるので観戦証明書みたいな意味もあるんですよ。だから、100円の単勝を買ってこう残しておいて、溜めるっていうのも一つの楽しみ方として面白んじゃないかなって。まゆさんだったら応援してる馬でもなんでもいいんで、なんか買って、どんどん店に貼って天井埋るまでとか。
まゆ:予想出したりしたときに本命つけた馬だけ貼っておいてどれがハズれたかお客さんにバレるとか(笑) いかにも競馬ファンも楽しめる店っていう感じになっていいかもしれないなあ。
髙畑:(競馬を)馬券を買われてから始める方はけっこう多いと思うなかで「お金の切れ目が縁の切れ目」といった感じの、ギャンブルだけがモチベーションになっちゃうと別に競馬である必要がないですよね。自転車だボートだと他でも同じようにギャンブルはできる。でも馬の応援っていうのは真似できないと思うんですよね。ただ関心を持つだけじゃなくて、一緒になっちゃうところまでいくという。私の場合は極端な方法ですけど、競馬の楽しみ方としてアリなんじゃないですかね。
単勝馬券は観戦証明書。しかし、雀卓の上で広げられる馬券の画ってスゴい
まゆ:馬券をコレクションするというのは店を持ってる私も飾っていくことができますからアリですね、やってみようかな。それにしてもすごい数です。
馬買っちゃえばいいよ
髙畑:さきほどの「馬主はムリ」で、思いついたのですけど究極を言えば「持っちゃう」のはどうですか?
まゆ:「持っちゃう」? 馬を買っちゃう……ええ!?
髙畑:レースに参加する側になっちゃうことにチャレンジするんですよ。一口馬主もあるけれど馬主になるというのは一つのステータスですし、競馬新聞に自分の名前が載るってすごいじゃないですか。
まゆ:馬に名前を付けられますものね、なんだかゾクゾクしちゃいます。でも、私でもなれるんでしょうか。憧れではあるんですけど、この前もお店を維持するためにクラウドファンディングさせていただいているような状況なんですけど……
髙畑:だったら馬を買うためのクラウドファンディングすればいいんじゃない? 参加してもらえたら馬が勝利したときは飲み代タダとかにする。
まゆ:祝勝会をみんなで楽しむっていうお店のイベントにするのは面白いかもしれませんね。
髙畑:馬主って言葉が強くてハードルが高いけど、地方競馬の馬主なら条件的に、まゆさんにだって可能な話だと思いますよ。当然のことながら馬を持つってペットを飼うのとは違った意味でお金だけじゃなくて責任もありますけど、それに見合った価値はあると思いますよ。まぁ、私は“馬主”になったことはないのですが。
一同:(笑)
――対談の最後で飛び出した「馬主」へのお誘い。20代のグラビアアイドルが馬主になったとしらた、これは話題になること間違いないだろう。では、本当に馬主になれるのだろうか……。と、いうわけで次回の対談では馬主の方をお呼びして、馬主の世界を覗いてみることに。次回もお楽しみに!
【髙畑大輔】
麻雀プロリーグMリーグに参戦しているセガサミーフェニックス監督。スターホース2をはじめSEGAの多くのゲームを開発。
【河原まゆ】
タレント、競馬女子。幼い頃から競馬好きの父に連れられ競馬を親しむ、やわらかい笑顔で人気急上昇中ツイッター(
@_mayuuu___)はフォロワー約2.4万人。また、東京・大久保で「大衆酒場まゆ」の店長として、競馬ファン、アイドルファンの憩いの場となっている。
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「
競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。